今季リーグ戦の残りが10試合を切ったサンフレッチェ広島。
第26節ではホームで浦和レッズと対戦しました。
中2日での試合となった両チーム。前節、大幅なターンオーバーを実行した広島はスタメンを8人入れ替えました。一方の浦和は前節からの変更は1人のみ。3試合ぶりのスタメンとなった宇賀神友弥が左サイドバックに入りました。
前回対戦と同様の展開
試合開始からわずか3分後、広島は先制点を許し、いきなり1点ビハインドとなってしまいました。
右サイドでパスを受けたマルティノスがボールを中へ持ち出し、左足でペナルティエリア内の興梠慎三へパスを供給します。興梠は右足でトラップし、浮いた球をボレーシュート。ボールはキーパー林卓人の股を抜け、ゴールネットを揺らしました。
マルティノス(下図の11番)がタッチライン近くでパスを受けた際、対応していたのは柏好文(下図の18番)でした。ただ、中へボールを持ち運んだマルティノスに対し、柏はついていかず、最終ラインに戻る動きを見せました。その結果、マルティノスは顔を上げる時間が増え、ゴール前の状況をしっかり確認してからパス。広島はマルティノスに余裕を与えすぎたことで、ゴールに直結するパスを通されてしまいました。
また、ペナルティエリア内では興梠(上図の30番)の動きに対応できていませんでした。最初、興梠は野上結貴(上図の2番)の背後にポジションを取っていましたが、パスが出た瞬間に走り出し、野上の前へ入ってパスを受けました。野上はパスが出る前に何度か首を振って興梠の位置を確認していましたが、それでも興梠の動き出しに対する反応は遅れていました。
マルティノスに与えた余裕と興梠の駆け引きの上手さ、この2つによって広島は立ち上がりに先制点を許してしまいました。広島は浦和との前回対戦でも5分に失点。早い時間に先制されるという、同様の展開となってしまいました。
クロス中心の攻撃
0-1となったあとは広島が多くの時間でボールを保持し、浦和は速攻からチャンスを作るという構図になりました。
広島は序盤からサイドを中心に攻めていました。浦和の最終ラインが比較的中央に固まりコンパクトな陣形を取っていたため、広島がサイドで窮屈になるような場面は少なく、しっかりとボールを動かせていました。シャドーやウイングバックだけでなく、ボランチや3バックの選手が高めの位置からクロスを上げるなど、厚みのある攻撃を繰り出していました。
特に野上は何度も右サイドから正確なボールを供給。18分、38分、41分とゴール前のレアンドロペレイラにしっかり合わせ、ペレイラのシュートを演出しました。スタッツを確認すると、この試合でのラストパス数は4本。ディフェンダーながら両チーム最多の記録を残しました。
広島は両サイドからのクロスを中心に攻め、前半だけで11本ものシュートを放ちました(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=11&date=03)。しかし、ゴールを決めることはできず、無得点のまま前半を終えました。
一方、浦和は広島陣内でのボール奪取からシュートチャンスを作りました。30分には荒木のパスをカットすると、素早くパスを繋いで最後は長澤和輝がシュート。31分にはエヴェルトンのボール奪取から攻撃に転じ、ペナルティエリア内から興梠がシュートを放ちました。しかし、広島の守備陣が体を張ったこともあり、追加点は生まれず。前半は0-1のまま終了しました。
ペレイラの同点弾
後半、最初に決定機を作ったのは浦和でした。
49分、自陣からのパスを武藤雄樹が頭でフリックすると、ボールが抜け出したマルティノスに渡ります。マルティノスはスピードあるドリブルでハーフウェーライン近くから一気にペナルティアークまで進み、左足でシュートを放ちました。キーパーと1対1の状況でしたが、ボールはわずかにゴール左に外れてしまい、浦和の2点目とはなりませんでした。
その後はお互いに大きなチャンスもなく、試合が進んでいきました。広島は60分以降、セットプレーを多く獲得しましたが、活かせず。74分にはフリーキックからペレイラがヘディングシュートを放ちましたが、ボールは大きく枠を外れてしまいました。
ただ、終盤に差し掛かった76分、広島はペレイラの得点で同点に追いつきました。
左サイドから青山がペナルティエリア内のペレイラ目掛けて浮き球のボールを供給。これは浦和にクリアされますが、クリアボールをドウグラスヴィエイラ(途中出場)がワンタッチでペレイラに繋ぎます。ボールをコントロールしたペレイラが右足を振り抜くと、シュートは逆サイドのゴールネットを揺らし、同点ゴールとなりました。
ペレイラは相手3人に囲まれ、狭いエリアでのプレーとなりましたが、しっかりとボールをコントロール。シュートスペースを確保し、素早い足の振りからゴールを決め切りました。ペレイラはこの試合9本のシュートを記録。出場3試合連続で得点を取っており、広島の攻撃を牽引する存在となっています。
勝ち点3とはならず
終盤は広島が押し込む時間が続きました。エゼキエウや永井龍といった攻撃的な選手を投入し、人数をかけて浦和ゴールに迫っていきました。しかし、2点目を決めることはできず、1-1での引き分けに終わりました。
浦和との前回対戦では無得点で敗れましたが、今節は後半に追いつき勝ち点1を獲得しました。ただ、逆転するまでには至らず。今シーズンは先制された試合で一度も勝てておらず、この試合でも逆転勝ちを収めることはできませんでした。
総括
広島は立ち上がりに失点を喫し、終始追いかける展開となりました。その後はカウンターから何度かピンチを迎えたものの、追加点を許さず。攻撃では相手の2倍近いパス成功数を記録し17本のシュートを放った結果、ペレイラのゴールで追いつき、勝ち点1を獲得しました。
次戦、広島は新型コロナウイルスの影響により延期となっていた名古屋グランパスとのホームゲームを戦います。
上位チームを倒して、3試合ぶりの勝利を掴んでほしいです。
コメント(3)
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SPORTERIAスタッフ
2020/11/11 15:20
>今シーズンは先制された試合で一度も勝てておらず、この試合でも逆転勝ちを収めることはできませんでした。
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SPORTERIAスタッフ
2020/11/11 15:20
もちろん先制されないにこしたことはないのですが、もしされてしまっても反発する力を求めたいですね!💪
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サンレノファン
2020/11/12 21:43
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!
そうなんですよね。。。
広島は被先制試合が9試合で1分8敗となっていて、仙台(3分13敗)および湘南(12敗)と並んで、まだ一度も逆転勝ちをしていないチームの1つ😢
逆転で勝てないと上位には進出できないですよね。
残りの試合で攻撃力の底上げに期待したいです!