5連敗で最下位から抜け出せずにいるレノファ山口FC。
10試合ぶりの勝利を狙う第37節、山口はアウェーで栃木SCと対戦しました。
前節から栃木は2人、山口は5人スタメンを変更。山口の左サイドバックには今季初スタメンとなる清永丈瑠が入りました。
テンポの良い攻撃
前半、山口は少ないタッチ数でのパスからチャンスを作っていました。
2分には右サイドのペナルティエリア角付近でパスを受けた高宇洋がワンタッチで田中陸へスルーパス。3人目の動きでペナルティエリアに進入した田中陸が深い位置からクロスを上げました。また、16分には清永が高井和馬とのワンツーで左サイドを抜け出しクロス。2本とも相手に防がれシュートには至りませんでしたが、ワンタッチパスを使って深い位置まで進入するという過程は良かったと思います。
また、18分には敵陣右サイドのスローインから高→田中陸→イウリ→高→高井と4本のワンタッチパスが連続して繋がりました。高から高井へのパスが短くなったこともあり大きなチャンスとはなりませんでした。ただ、インサイドハーフの高・田中陸、そしてトップのイウリが近い距離間でボールを繋ぎ、素早い攻撃で栃木ゴールに迫っていきました。
ウイングが逆サイドへ
この試合、山口のウイングが逆サイドに流れて攻撃に関わる場面が何度かありました。高井・森晃太ともに逆サイドでボールに触る回数はそこまで多くありませんでしたが、ウイング2人が同サイドでプレーすることでサイド攻撃に厚みを出していました。
特に前半は森晃太が左サイドに流れて攻撃に関与する場面が目立ちました。
25分にはペナルティエリア角付近で高井からのパスを引き出し、ワンタッチで横のイウリへ繋ぎました。また、28分にもペナルティエリア角付近でボールを収めてキープ。さらに、29分には森晃太がタッチライン際で背後へ抜け出す素振りを見せて栃木ディフェンスの注意を引きつけると、マークが甘くなった高井がゴール前のイウリへスルーパスを送りました。イウリには繋がりませんでしたが、ボールが渡っていれば決定機となっているような場面でした。
山口は人数をかけたサイド攻撃を中心にワンツーやダイレクトを使いながら栃木ゴールに近付いていきました。ただ、栃木の寄せの厳しさや戻りの速さ、強固なブロックを前にゴールを決めることはできず。7試合連続で前半に得点を挙げることができないという結果となりました。
素早いリスタート
前半、栃木はシンプルな攻撃から何度か山口ゴールに迫ってきました。自陣で細かく繋ぐことはせず前線にロングボールを供給し、こぼれ球を拾って攻撃。ペナルティエリア近くでは細かく繋いでシュートチャンスを作り出しました。ただ、シュートコースに入った山口の選手にブロックされるなど、得点は決められず。山口同様、栃木も前半は無得点となりました。
0-0のまま迎えた後半、先制点を取ったのは栃木でした。
52分、栃木はハーフウェーライン付近でファウルを受け、フリーキックを獲得します。セットされたボールに近付いた柳育崇が最終ラインの背後にパス。素早いリスタートに反応した明本考浩がボールをコントロールし、キーパーとの1対1を制してゴールを決めました。
ファウルを犯した山口のサンドロが最終ラインに戻る前に栃木はプレーを再開しました。山口のもう一人のセンターバック、眞鍋旭輝はオフサイドを取ろうとラインを上げましたが間に合わず。山口の守備陣は誰一人抜け出した明本に追いつくことができず、失点を喫してしまいました。
栃木は前半にもハーフウェーライン付近でフリーキックを獲得する場面がありました。ただ、その際は時間をかけ、ロングボールを蹴りこんできました。また、栃木は前回対戦でも、自陣でのフリーキックからゴール前に長いボールを入れていました。そのため、山口の選手たちには”素早く再開してくるかもしれない”という意識が欠如していたのかもしれません。その結果、準備不足となり明本に簡単に抜け出されてしまったのだと推測します。
10戦勝ちなし
先制された山口はその後、栃木ゴールに迫り続けました。
54分には森晃太、56分にはイウリがペナルティエリア内で仕掛けシュートを放ちました。60分以降は栃木の2倍近いボール支配率を記録し、クロスを中心に得点を狙い続けました(参考:https://www.football-lab.jp/r-ya/report/?year=2020&month=11&date=29)。ただ前半同様、栃木の堅い守備を崩せず、同点に追いつくことはできませんでした。
80分にはカウンターから2点目を献上。眞鍋が前がかりになってボールを奪いにいこうとしたところをかわされ、明本のパスから途中出場の矢野貴章にゴールを決められてしまいました。
試合は2-0で終了。山口は6連敗となり、10戦勝ちなしとなってしまいました。
総括
パス成功数やボール支配率では栃木を上回りましたが、肝心の得点は0。守備ではリスタートとカウンターから失点を喫し、勝ち点0となりました。第37節の結果により、山口は一つ上の順位との勝ち点差が6となってしまいました。
今季も残り5試合。
特にそのうち4戦はホームなので、一つでも多くの勝利を見せてほしいです。
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2020/12/3 11:16
栃木の守備の強度の高さ、カウンターの鋭さは今季のJ2で群を抜いているイメージがありますよね。
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サンレノファン
2020/12/4 09:19
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!
得点力はそこまででもないので先制点が重要になると思っていたのですが、リスタートから一瞬のスキを突かれ…😢
本当に勝負を分けるのは細かいところだなとあらためて思いました。
そうですね、特に守備は非常に堅い印象を受けました。
細かいところの差が積み重なって、敗戦、連敗、最下位という結果を引き起こしているのかもしれませんね。