ついに2021シーズンのJ1が開幕しました。

今シーズンも私が応援しているサンフレッチェ広島の試合に関して、レビューを書いていきたいと思います。分析内容が薄かったり、分量が少なかったりするかもしれませんが、リーグ戦全試合でブログ投稿できるよう励んでいきます。


スタメン

2021年の開幕節、広島はホームでベガルタ仙台と対戦しました。スタメンは以下の通りです。

フォーメーション図  フォーメーション図

広島は昨年の3-4-2-1から4-2-3-1にシステムを変更。新加入のジュニオールサントスがトップ下で起用されました。一方の仙台も4-2-3-1のフォーメーションを採用しており、ミラーゲームとなりました。


スタッツ

基本スタッツ

序盤から広島が攻撃する時間が多く、仙台陣内でプレーする時間が長かったです。27分にシマオマテが退場し仙台が10人になったことで、その傾向はさらに顕著に。32分にサントスが得点を決め、広島の1点リードで前半を折り返しました。後半も人数をかけた攻撃やセットプレーから何度か決定機を創出。しかし、ヤクブスウォヴィクの好セーブに阻まれ2点目を挙げることができませんでした。60分以上10人で戦っていた仙台から1点しか取れない結果、終盤には同点弾を決められ1-1の引き分けとなってしまいました。

ゴール期待値

続いて、今シーズンから追加された「ゴール期待値」のデータを見ていきたいと思います。

先制点のシーンではゴール期待値の上昇量がわずかであることから、得点に結びつく可能性が低いシュートであったことがわかります。ただ、サントスの思い切りの良さに加え、シュートが相手ディフェンダーに当たってコースが変わるという幸運も重なり、広島の今シーズン最初のゴールとなりました。

前半は合計で0.25ほどのゴール期待値しかありませんでしたが、1得点。一方、後半は2.0以上のゴール期待値を上積みしたものの、得点は0と「チャンスをものにする」ことができませんでした。60分付近のコーナーキックでは、野上結貴のヘディングシュートや荒木隼人のシュートなどでゴールに迫りましたが追加点は奪えず。ゴール期待値を1.0以上積み重ねたこの時間帯に追加点が取れていれば勝ち点3も...という試合展開でした。


サイドバックの攻撃参加

この試合での広島の良かった点としてサイドバックの攻撃参加が挙げられると思います。

攻撃スタッツ - 野上 結貴   ヒートマップ - 野上 結貴

攻撃スタッツ - 東 俊希   ヒートマップ - 東 俊希

前半途中から仙台が一人少なくなった影響もあるかとは思いますが、両サイドバックとも敵陣でボールに触る機会が多かったというデータになっています。ボールタッチ位置を示す紫の丸印はタッチライン沿いだけでなく中央寄りやペナルティエリア内にも存在。映像で見ていても、インナーラップしたりハーフスペースにポジションをとったりと攻撃への意識は高かったように感じました。

試合終盤の85分には右サイドを崩し、途中出場の柏好文のクロスから東俊希が決定機を迎える場面もありました。ボールとは逆サイドのサイドバックが大外からクロスに飛び込んだことで、仙台守備陣は全くケアできておらず。スウォヴィクのスーパーセーブに阻まれたものの広島の狙いが表れた攻撃だったと思います。


相手として厄介だった背番号7

10人ながら同点に追いついた仙台。神セーブを連発したスウォヴィクや途中出場で同点弾を決めた赤崎秀平の印象が強いですが、個人的には関口訓充が非常にいやらしい存在でした(決して否定的な意味ではありません)。

攻撃スタッツ - 関口 訓充   守備スタッツ - 関口 訓充

10人になった以降はボランチにポジションを移した関口は攻守に奮闘していました。守備では自陣深くまで戻ってボール奪取したり、広島の速攻を阻止したりと豊富な運動量でチャンスの芽をことごとく摘んでいました。後半には頭から出血というアクシンデントもありながら、攻撃面でも力を発揮。終盤には関口が中央に切り込んでシュートを放ったことから同点ゴールが生まれており、勝ち点1の大きな立役者になっていたと思います。


最後に

開幕戦・ホーム・途中から相手は10人・新戦力のサントスが先制ゴールと勝ちたい要素は非常に多かったですが、結果は引き分け。昨シーズンから続いている決定力不足がこの試合でも如実になってしまいました。上位争いに加わるためにもこの課題を早く克服してほしいです。

私個人の課題は今回使いこなせなかったパスソナー・パスネットワークやエリア間パス図を用いたレビューを書くことですね(SPORTERIA様、非常に興味深いデータを追加していただき、ありがとうございます)。