ついに2021シーズンのJ2が開幕しました。

今シーズンも私が応援しているレノファ山口FCの試合に関して、レビューを書いていきたいと思います。分析内容が薄かったり、分量が少なかったりするかもしれませんが、リーグ戦全試合でブログ投稿できるよう励んでいきます。


スタメン

2021年の開幕節、山口はホームで松本山雅FCと対戦しました。スタメンは以下の通りです。

フォーメーション図  フォーメーション図

渡邉晋新監督を迎えた山口は4-4-2のフォーメーションを採用。山口に帰ってきた選手を含め8人の新加入選手がスタメンに名を連ねました。一方の松本は3-1-4-2のシステムで試合に臨みました。


スタッツ

基本スタッツ

ホームでの開幕戦はスコアレスでの引き分けとなりました。山口はボール支配率やパス成功数で松本を上回っており、比較的ボールを持てていたことが分かります。ただ、得点に直結するシュート数では松本を下回り、得点を挙げることはできませんでした。ラストプレーでは途中出場の岸田和人がゴールネットを揺らしましたが、ボールは手に当たっており、劇的なゴールとはなりませんでした。一方、守備面では不用意なロストからピンチを招くシーンが何度かありましたが、失点は許さず。キーパー関憲太郎を中心に、昨シーズン僅か7試合しかなかったクリーンシートを達成しました。

ゴール期待値

続いて、今シーズンから追加された「ゴール期待値」のデータを見ていきたいと思います。

山口のゴール期待値が最も高かったプレーは22分ペナルティエリア内から島屋八徳が立て続けに2度シュートを放った場面となりました。それ以降は8本のシュートを記録したもののゴール期待値が0.1以下のシュートがほとんどであり、決定機を作るにはいたりませんでした。

一方、松本のゴール期待値は前半こそ0.2未満に終わりましたが、後半は1.2以上を上積みしました。最もゴール期待値が上昇したのはおそらく86分のコーナーキック。山口はクリアしきれずにピンチを招いてしまいましたが、相手のシュートが枠を外れたため助かりました。

ゴール期待値だけを見れば1失点していてもおかしくない展開でしたが、完全に守備が崩された場面はほとんどなかったように思います。


司令塔

パスソナー・パスネットワーク

パスソナー・パスネットワークを見ても明らかなように、山口の攻撃を組み立てていたのはボランチの佐藤謙介でした。

パス数は両チームトップとなる105本を記録。佐藤謙介を始点もしくは終点とする矢印はほとんど濃い青色になっており、様々な選手にパスを配給していたことが伺えます。また、パスソナーを見ると後方へのパスは少なく、横もしくは前方へのパスが多くなっており、前を向いた状態でボールを持つことができていたことが分かります。山口のゴール期待値が最も上昇した22分のシーンでは佐藤謙介から高井和馬への縦パスが起点となっており、要所で前線の選手に縦パスを入れる場面も見られました。

1試合ではありますが、佐藤謙介が山口の司令塔を担っていることがわかるようなスタッツだったと思います。次節以降も佐藤謙介のプレーに注目するとともに、彼が厳しくマークされた時、もしくは欠場した時に誰がその役割を背負うのか、あるいは全く別の戦術を使うのかなどにも着目していきたいと思います。

攻撃スタッツ - 佐藤 謙介   ヒートマップ - 佐藤 謙介


継続と改善

パスソナーを見てもう一人気になったのが楠本卓海です。

パスソナー・パスネットワーク

攻撃スタッツ - 楠本 卓海   ヒートマップ - 楠本 卓海

楠本はチーム2位となる75本のパスを試み61本を成功させました。その61本の内訳をパスソナーで確認すると、前方や左方向へのパスが高い割合を占めていることが分かります。また、前方へのパスについてパスソナーの色を見ると、平均パス距離が約30mを示す濃い赤色になっておりロングパスを何本も通していたことが確認できます。

実際に72分や78分には、楠本の自陣からのパスで前線の草野侑己がディフェンスラインの背後へ抜け出す場面があり、楠本の正確なロングパスが見られました。どちらのシーンも山口のチャンスに繋がるパスであり、次節以降も継続して狙ってほしいと思わせる前線へのフィードでした。

ただ、自陣でのビルドアップ時に危険な位置でのボールロストが3回ほどあったほか、守備時に相手の動きへの反応が少し遅れる場面があるなど、若干気になるプレーもありました。ロングパスという強みを活かすためにも、この辺りの課題を克服し、チームに欠かせない絶対的なセンターバックに成長してもらいたいです。


最後に

昨年の結果を考えれば、無失点での引き分けは上出来のスタートだと思います。新戦力が多いスタメンだったので、次節以降徐々に連携が深まれば得点や勝利はついてくると思います。今シーズンの目標である勝ち点60に向けて本気で戦う選手たちを全力で応援していきたいと思います。