サガン鳥栖 対 柏レイソル2-0 林x2


こういう試合で「決め切る」力を持つ選手。

しかし、”チームプレーとして走った”林、

自分が決め切るためにプレーした柏の前線との違いが勝敗を分けた、と思いたい。


意外と打ってないサガン鳥栖

基本スタッツ


先発を大きく変えて来たサガン鳥栖。


大畑を右サイドに使う。

たぶんその理由は、鳥栖の左サイドって難しいから。

左サイド、グルグル攻撃の軸となるのは仙頭。

ちなみにその時の解説はコレ

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左は難しいことをやらされるが、右は割とシンプル。

樋口が空けたスペースを使って侵入する役割。


大畑が今シーズン初先発する上で、

まずは若い子には簡単な仕事を


そして難しい仕事は中野くんに左でやってもらう。


あれ?


分かりやすい役割は若い子に ⇒大畑(19)

難しい仕事はベテランに ⇒中野(17)


もう敢えて何も言うまい笑



そして今日は仙頭の代わりを松岡が務める。

しかし、山下が居ない影響か、林、石井では収まりきらず、ビルドアップからはそこまで攻撃を構築できなかった。

そこで、早めに後ろから長いボールを蹴るようにした。


この後ろからのボールが、また良いボールがポンポン飛ぶ。

DFの背後を狙ったボールは相手が後ろ向きになるので、処理が難しい。


1点目のシーンも、エドゥアルドが一発のパスで林が抜け出してゴール!

このゴールも、早めのロングを狙っていた事がある。

そして、林が抜け出した所で、そのまま縦に行ったのが良かった。

右足で切り返したくなるところを。そのまま左で持ち出して、左で決め切った。

素晴らしいゴールだった。


たまたま、という感じで捉えられがちなゴールだが、しっかりと狙ったゴールだと言える。




後半になると、柏が形を変えてくる。

古賀を右に回して3バック気味になる。

大谷を入れてビルドアップの出口を作ろうとする。


しかし局面で1対1での競り合いが激しく、

そのバトルで鳥栖が勝っていた。


そして、シュートのこぼれ球を小屋松がシュート!!

というフェイントからパス。


これを林が2点目を決める。

2-0。


ここから最後は5バックで逃げ切る形に。

柏は両サイドから早めに放り込む事と、

3バックの古賀がガンガン上がる。

しかも間、間に上がってきて、右から左足で入れてくるのが厄介だった。


それでも島川、エドゥ、田代は集中を切らさず、全てのクロスボールを跳ね返した。

柏が前に圧力をかけたものの、クリスティアーノが外にいたのは助かったか。


それにしても最後はサッカーだとか戦術とかを超えたような戦い。

それを耐えきったのは大きい。

誰も集中を切らさずに勝てた!



選手評

極上

林  まさに極上の働き。決して簡単な試合ではなかったが、彼の一振りが全てを変えた。

まさに0から1を生む働き。しかし偶然ではなく、狙っていた動きであり、

チーム全体が下がるタイミングで駆け上がる絶妙な抜け出しを見せた。

2点目はご褒美パスだったとはいえ、確実に決めてゲームを決めた。文句なしのMVP。

島川 昨日までの松岡の役割で出場。90分集中をきらさない守備を披露。

特にゴール前での危険なエリアでのカバーは秀逸。

このスペースを江坂らに狙われるも一度も穴を開けなかったのは絶賛していい。

エドゥアルド やっぱり鉄壁。最後の時間帯のクロスの雨に対して的確なクリア。

何よりも跳ね返す位置がいい。厳しい体制の時には来た方向に跳ね返す。

さらにその左足からアシストとなるパスを通した。

柏としては彼さえいなければ、、、と思うシーンは多々あっただろう。

良い

樋口 今日は黒子の働き。しかし慣れない大畑の右SBを献身的に支えた。

鳥栖が大崩れしないのは樋口が居るからだ。

そして長い距離のパスでも特徴を見せた。

松岡 今日は役割としては仙頭の役割だった松岡。

しかし前プレは自重気味。これだけメンバーが変わった中で、島川のフォローをしながら前後に気を使い続けた。

それだけに怪我は痛い。軽傷であることを願う。

田代 イエローのシーンは自らのトラップが流れた事から。

どうしても繋ぎでのバタバタ感はぬぐえないが、それ以上に跳ね返す気迫に満ちていた。

素晴らしい集中でクロスに対して誰よりも正確に落下位置にいた。

パギ もう言う事はない。DFとの連携でシュートコースを切り、相手の攻撃をストップする。

まさに個人だけでなく集団での強さを見せた。

今日は得意のキックにはやや苦しんだ。前線のターゲットが少なかったか。

中野 今日は普通の中野だった。普通にクリスティアーノに競り合って、普通に奪った。

もう鳥栖の左サイドは相手が守りを固めるのが常套となっている。

攻めのシーンでの手詰まりがあるが、これをどう乗り越えるか楽しみだ。

何度もカットインからの右足スルーパスを見せた。

SBがカットインスルーパス、、、書いてて意味が分からない。

★小屋松 2点目のパスはえぐい。あれだけの技術がありながら気を遣うプレーでしっかりと攻守に貢献。

本当にありがとう。

★仙頭 難しい時間で出場するも技術の高さは確か。この激しさの中で落ち着き所となった。

★飯野 この時間に出てくる飯野はずるい。だって速いもの。

この日1度見せた中へのワンツーからの左足シュートは新たな武器を見せた。

あれを見せられたら縦だけ注意すればいい、では終わらなくなる。

及第点

本田 今日は苦しい試合だったか。小屋松の位置で出場も、左サイドぐるぐるのポジショニングに苦労した。

局所ではいい働きは見せたものの。

大畑 慣れない右SBでの出場だが、しっかりと戦った。

どうしても縦に抜け出したシーンで左で持つためやや遅れてしまう場面があったが、

技術の高さ、局面で負けない強さをみせ、しっかりと貢献はした。

★ソッコ 最後を締めてくれた。

がんばれ!

石井 彼ならもっと出来る。強度の高い試合で収めきれなかった。

林と重ならないように考えながら動いていたが、起点になりきれなかったか。

次がんばろう!

★山下 今日はちょっと難しい試合だった。もう少し前でキープ出来たらもっと助かったか。

とは言え一番損な役回りでの出場にも関わらず、しっかりと貢献してくれた。

次は良い役回りが来るだろう。

鳥栖の勝因は間違いなく、誰もがやるべきことをやり、

誰かの空けたスペースを埋めて、そこを使い、攻守を構築したことだ。

しかし柏もビルドアップすら難しい激しい試合の中で2点差を付けられても良く戦った。

最後までゴールを目指し攻めに転じたパワーは脅威だった。

特に古賀の位置取りや攻守において、難敵として立ちはだかった。

鳥栖としてはきれいな崩しが一度も出せなかった試合で勝ち切ったことは大きい。

こんな試合も出来るのか?

他チームからは実に分析しにくいチームになったものだ。

これで5試合無失点。

鳥栖の躍動は止まらない!