2021 J1第11節 FC東京 1-2 鳥栖 レビュー

2021.4.24

サガン鳥栖 対 FC東京

2-1（酒井、樋口）

しっかり戦った前半

苦しんだ後半

ある意味理想的な2-1

パスは少なくても攻撃はできる。

物理の攻撃には物理の壁を。

先発

現時点のベストメンバーを揃えた鳥栖。

しかし前半は苦しむ

FC東京の前プレになかなか剥がすパスが通らない。

松岡が何度も受けてはパスミスになっていたのがその証

それでもボールを貰うのを止めないのだからすごい。

仙頭も降りてきて手伝う。

前が足りなくなる、という現象が起きるが、そこで輝いたのが酒井。

後ろから繋いで十分に押し込んだところで、奪われたあと松岡がすぐに奪い返す。

繋いだあと左足で入れた樋口のクロスに、酒井がDF2枚の上から叩きこんで先制！

東京からしたらプレスもハマるし、鳥栖の右サイドは攻撃し放題だったのに、なんでそのサイドからのクロスで失点、、と理不尽。 

後ろが危険なら少しラインを引いておこうとしっかり固くなる東京。

アンカーだった森重を下げつつ、守る。

しかしアンカー1人で機動力がない、という、ことは、、、？

はいそうです。 

逆にその空いたバイタルから樋口が、今度はミドルシュートを叩き込んで2-0

このシーンで言いたいことは２つ。

一つは林の素早いプレスバックで奪い返したところ。

もう一つは、樋口が前向きに持った時に酒井が斜めに走り出したところ。

これにより、東京のDFは後ろに下がる。

ちなみにこの前に樋口が同じ形で持って、酒井にスルーパスを通していた。

倒されてシュートにはいけなかったが、東京のDFはこのシーンと、

ヘディングで叩き込まれたシーンが頭に残っていたと思う。

それゆえ、DFラインを上げれず、

樋口に容易にシュートを撃たせてしまった。 

ラインをあげてくればスルーパスやアーリークロス。

じゃあ、とラインを下げればミドルシュート。

前半の樋口は手に負えない存在だった。

無慈悲なゴールで鳥栖がリードする。

サイドからスタートして、ボランチとトップ下を兼任する10番樋口。

そろそろ彼が騒がれてもいい頃だ。

後半鳥栖は山下を投入。

酒井はこれからもポイントで使いたい。

色々なリスクヘッジか。

しかし東京は森重をCBに下げて青木をボランチに投入。

右SBもテコ入れして旧体制の4-4-2で、前は物理で殴る作戦

さっさとCKから点を奪うと、アダイウトンの突破に掛ける。

鳥栖はラインを下げられ苦しむ。

その対策なのかは不明だが小屋松が早々に交代。

中野Fを投入するも裏目。

彼はプレスもキープも軽さがあり、そのデメリットを上回るほどの上手さは発揮できていない。

個人的には、技術や強さよりも、判断の雑さが気になる。

このままだと出番は減るかなぁ。

さらに山下くんもキープしたり競り合う強さは酒井ほどではない（そりゃそうだ

鳥栖の時間は極端に減ってしまった。

中野サイドを蹂躙する東京。

それでも耐える鳥栖も凄い。

だって外国籍選手の物理で殴る東京は、ルヴァン優勝する強さなのだ。

こういう物理的な強さには、リードしてるんだから物理的に人数足せばいい。

て事で田代。

プレスやキープの判断に不安な中野Fを負担の少ない前線に置く。

これでカウンターで1人、2人で決めちゃったりしたら中野さんの価値も上がるのだが、そこまでは行けなかった。

最後は田川も入れてくる東京に対して、大畑を投入する。

大畑くんはもう何処のポジションかは不明（笑）

どこでもいいから守備強度をあげてね、という使い方か。

そして彼はまた良く分かってる。

凌ぎきった鳥栖がアウェイの東京に対して2-1で勝利を収めた。

選手評価

極上★★★

樋口 1G1Aでこの試合の全てを生み出した。

それだけでなく試合の全ての局面で絡ち続けた。素晴らしい貢献。

酒井 1点目はどこの助っ人外国人か。前半のみの出場だが、皮肉にも彼が退いた後半の苦しみ方が証明。ゴール以外の貢献も強すぎる。

松岡 この苦しい局面でボールを受け続ける勇気は凄い。何度も貰って返して貰って返して剥がして。♨のプレーを引き出してるのは彼だと言うことを伝えたい。

良い★★

エドゥアルド 苦しんだ最終ラインを支え続けた。強いパスも健在。

強力な個に対して引けを取らない彼の存在はそれだけで戦術的に優位。

ソッコ 難しい時間を過ごしたが、判断を変えつつ上手くいなした。

老獪な守備は経験のなせるものか。

仙頭 コンダクターとして機能。まず簡単に取られない。周りが良く見えている。

攻撃の全ての起点となっていた。ヘディングの競り合いも厭わず。

パギ 東京が前プレに来た時の数的優位要員としてCB並にプレー。

それでも雑なボールを蹴らされたのは東京も流石だった。

CKの事故以外はほぼ完璧な守備。

☆大畑 わずかな時間だがこういう働きを評価しない訳には行かない。

心得たプレーで逃げ切りに貢献。

こういう守備が出来る選手が控えにいる心強さよ。

及第点★

林 収め役として機能した酒井の横で森重に苦しめられた。

ゴリドリは出せなかったが、後半は取られた時に最後まで相手を追うことで中盤を助けた。

得点が欲しいだろうに守備に体力を使うことを厭わないプレーはリードした展開で非常に貢献度が高かった。

飯野 疲れてくるとクリアが雑になるが、まあハッキリとしたプレーで悪くは無い。何せ速いし。

彼ができることをやり切ってくれる上に速いし。

様々なプレーにチャレンジも見えるし、相手にしたら厄介だろう。だって最後まで速いし。

中野 相変わらず外からボランチに付けるパスに天才的なセンスを感じる。

一方でややトラップにもたついたり、らしくない場面も。

攻撃のキーになりそうな位置でもプレー出来ていただけに、もう一歩先を望みたい。

まあ17歳にどれだけ望むのか？て話だけど彼は最低でも代表レベル。

既存の日本代表レベルの活躍は出来るはずだ。

☆田代 最終盤で強さ高さを担保する。彼の存在は本当に貴重だ。

どうせラインが下がってしまってるなら絶対跳ね返すマンの役割は大きい。

そして実際に競り勝ってた。まぢか。

小屋松 広い範囲を気をきかせたフォローが出来る。素晴らしい貢献だが疲労だったのか？

上手いのに判断がいいので♨とのコンビで時間を作れるのも大きい。

がんばれ！

☆山下 さすがに酒井と同じ役割は厳しかったか。しかしそれをする必要がある展開だった。

しかし決して嫌な仕事から逃げずにプレーしていた。

彼はまだまだ成長する。

頑張れー！！

☆中野F 途中出場ながら、キープにもプレスにも少し弱さを見せた。

後ろへのプレスバックもアリバイ気味で、実際の与えられたタスクが気になるところ。

それでも一点を生み出すならば良いのだがそこまでは見せれていない。

まだ彼の技術が驚異になるほどでは無い以上、弱さとのトレードオフはやや分が悪いか。

もっと強度を増すか、突き詰めて1人くらいなら交わして決めますけど？てなるか

個人的にはこのままなら出番は減るか、と。

総括

松岡の前へのパスとタスクの多さが異常なのが分かるデータ。

がっつりポゼッションし合いますか？

という東京に対してさっさと裏つきますけど？

あ、裏を引いて締めるならロング撃ちますけど？

で2点取った鳥栖

後半はじゃあ物理で殴ります！の東京を

しっかりと石頭でトンカチガードした

そんな試合

こんな試合で勝ちきってしまう鳥栖は本当に相手にしたくないだろう。

満点！と喜べないが

それでも勝てるんだと言うことを示した。

まだまだ鳥栖は飛び続けてる！