試合数が多くてちょっとレビューが追いつかないので、ここまでのジュビロの攻撃をデータで振り返ってみました。
データはfootball-labのものを使用します。
※第7節までのデータが対象です
■平均ゴール数と平均ゴール期待値
まずはどれだけチャンスが作れていて、ゴールを決めているか、
これを俯瞰して見るために平均ゴール数と平均ゴール期待値のグラフを見てみます。
このグラフは横軸がゴール数の平均、縦軸がゴール期待値(xG)の平均を表しており、右上に行くほど1試合あたりのチャンスの期待値が高く、さらにゴールを決めているチームとなります。この傾向にあるチームは順位が上に来ている印象があります。
※2021のデータだと左下に降格した4チームが固まっています
リーグサマリー:2021 J1 ゴール期待値 | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB
https://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j1/?year=2021&data=expected
現状では、ジュビロはゴール数の平均が「1.29」で8位、xGの平均が「1.012」で15位となってます。
ただ4-1で勝利した京都戦がゴール数とxGの平均をかなり上げており(それぞれ+4と+3.053)、そこを除いて6試合平均で見ると、平均ゴール数「0.833」平均ゴール期待値「0.672」とかなり厳しい数字です。
※京都戦を除いたグラフを作成するために、元の画像を加工しています
2022 J1 ゴール期待値 | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB
https://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j1/?year=2022&data=expected
■「攻撃回数」「シュート数」「チャンス構築率」
次に攻撃周りのスタッツを見てみます。
ちょうどデータが更新されてしまったことと、京都戦を除いたデータが見たかったので、元のデータを加工しています。
ジュビロは平均シュート数で17位、京都戦の数値を除くと最下位の18位です。
チャンス構築率※のデータを見ると攻撃回数はある程度あるのですが、あまりシュートに行けていないことがわかります。
※チャンス構築率とは「平均シュート数」を「攻撃回数」で割った値
ゴール数とxGが伸びていない要因は、攻撃をシュートまで結びつけていない所にありそうです。
リーグサマリー:2022 J1 チャンス構築率 | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB
https://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j1/?year=2022&data=chance
■「30mライン侵入回数」
何故シュートまで行けないのか、次はそこに行くまでの過程を見てみます。
注目したのは「30mライン侵入回数」というスタッツです。
Football LAB(フットボールラボ)とは | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB
https://www.football-lab.jp/pages/about/
「30mライン侵入回数」が多いということは、再現性高くゾーン3に侵入できていると考えられます。この指標を「平均シュート数」と相関関係を見ることで、問題点を洗い出してみます。
横軸に「30mライン侵入回数」、縦軸に「平均シュート数」の散布図を作成してみました。
例えば現在1位の川崎は「30mライン侵入回数」こそ多いですが、シュート数はそこそことなり、ゾーン3での攻撃の質に若干問題がありそうです。
9位の鳥栖は「30mライン侵入回数」が川崎並みに高いですが、シュート数が少ないです。ゾーン3の質は非常に低いのですが、それを「30mライン侵入回数」を増やすことでカバーしようとしているのではないかということが読み取れます。
ではジュビロはどうでしょうか。
「30mライン侵入回数」が少なく、「平均シュート数」も少ない状態です。つまりゾーン3への侵入も再現性が高くなく、ゾーン3の攻撃の質も低いという状態です。
■なぜゾーン3へ再現性高く侵入できないのか
ここからは主観的な要素が強いです。
①伊藤監督の戦術に問題があるのか
甲府でも成熟には時間がかかったようなので、この要因はあるかもしれません。
ただルヴァンカップなどを見る限りは、きちんと戦術を仕込めていたように感じます。
けーすけさんの発言を引用しますが、私も同じ感想をいただきました。
特に1節のFC東京戦はゴールこそなかったのですが、サブメンバーであれだけできるのかと興奮したことを覚えています。
②強度や走力の問題
今年のジュビロの攻撃は縦に早い攻撃(カウンター)が少なく、かなりの割合で相手が守備の陣形をセットした状態から攻撃を開始しているようなイメージがあります。
そうなるとスペースがない中でプレーできる強さを持った選手が必要になるのですが、いまのジュビロだと鈴木雄斗くらいで、大津や杉本でもJ1の及第点程度という印象です。
またジュビロは走力の問題も抱えており、ここまですべての試合で、スプリント数で相手に負けています。
ジュビロ磐田 2022 日程・結果・試合比較 | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB
https://www.football-lab.jp/iwat/match/
いつも勉強させてもらっている五百蔵さんのツイートも引用させてもらいました。
強度については本当にその通りで、戦術うんぬんじゃないなーと試合を見ていて感じました。
■振り返ってみて
一旦攻撃のみの振り返りですが、いかがだったでしょうか。
できるだけ客観的に振り返れるように意識しましたが、ジュビロ以外の退場が考慮されていないなどガバガバな部分もあります。。
誤っている点も多数あると思うのでご指摘いただけると助かります!
以上、読んでいただきありがとうございました!
コメント(4)
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SPORTERIAスタッフ
2022/4/13 17:37
相手があることなので、
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SPORTERIAスタッフ
2022/4/13 17:41
上に挙げていただいたデータの見方としては、同意見です!
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SPORTERIAスタッフ
2022/4/13 17:48
>今年のジュビロの攻撃は縦に早い攻撃(カウンター)が少なく
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SPORTERIAスタッフ
2022/4/13 17:50
去年の磐田のデータと比較すると、一番差が大きいのは
・お互いの"やりたい"
・お互いの"やらせない"
がぶつかり合う中で、どこまで"やりたい"が出せているのか、出せていないならば何が原因でどうすればいいのかを考えるのは非常に難しくも意義のあることだと思います!🤔
・平均ゴール期待値以上のゴールを挙げているが、ゴール期待値自体が低い
・30mライン進入数が低く、シュート到達回数が少ない
ここは明確な課題かなと。
走力と強度が上記の数字にどこまでダイレクトに影響しているかは一概に測り切れませんが、一方で全く影響がないとも思えない、という気がします💡
の部分に追い分析で、少しデータを追加させていただきます。
📊 1試合平均ショートカウンター
回数 11.1回(18位) シュート到達率 20.2%(5位)
📊 1試合平均ロングカウンター
回数 5.9回(10位) シュート到達率 4.4%(18位)
どちらも"帯に襷に"という感じでしょうか…。
ロングカウンターのシュート到達率 22.0% → 4.4%
で、ロングカウンターのシチュエーションで「行かせてくれない / 行ききれない」ところが差として表れているのかもしれません…?
ちなみに今年のJ1で1番ロングカウンターのシュート到達率が高いのは、京都の28.6%です😲