東京ヴェルディ1969をホームに迎えた第4節、
ザスパはシーズン初失点を喫し、0-1で今シーズン初黒星となった。
攻撃では3度ネットを揺らすものの、ハンド・オフサイド・オフサイドでどれもノーゴール判定に。
パスや動き出しのタイミングが少しでも違っていれば、3得点。まさに勝利まであと1歩足りなかった試合となった。
本記事では、この試合を簡単にレビューした後、ザスパの途中出場選手の活躍について紹介していく。控え選手について触れることで、ザスパでは勝利のために熾烈な競争が行われていることを示唆できたらという狙いである。
J2では珍しい?流動的な433との戦い
まずは両チームのフォーメーションを紹介する。
特筆すべきはヴェルディの433。攻撃時には前の5人が5レーンを埋め、両SBが内側に絞り、近くの選手同士で積極的にポジションチェンジをするなど、現代的なポジショニングをしていた。
ザスパはオーソドックスな442で、先鋭的な433を防げるかというのがポイントとなった。
結果としてはザスパはよく守っていた。
4バックは中央を固め、両SHは積極的にディフェンスラインまで戻り守備に参加する。SHが攻め上がった後の守備では、【新・ミニ四駆】FW加藤潤也がディフェンスラインまで戻るシーンもあり、相手にすきを与えない守備をしていた。
実際にエリア間パス図を見ると、中央でボールを回させず後ろでのパス回しが多かったことがわかる。
ヴェルディのゴール期待値も1.05と決定的なシュートも少なかったことがわかる。
ヴェルディのゴールシーンは80分。
パリ世代の主力としても期待される山本理仁が、ザスパのSBの裏を取り、1人で運んで2人の股を抜くシュートで試合を決めた。
まさにボックストゥボックス型MFの真骨頂といえる動きで、まるでプレミアリーグを見ているかのようなゴールだった。
(山本のヒートマップエグすぎでは…)
失点シーンは、【レフティー競走馬】左SB光永祐也が釣り出されてしまったこと、光永と【変幻自在の狩人】左SH天笠泰輝の距離感といった問題点はあった。
しかし、80分にこのゴールを決める山本理仁があまりに素晴らしいのは間違いない。
反省はするが、気にしすぎないことも重要といえよう。
控え選手が加える攻撃のアクセントがすごいぞ!
試合を振り返ったところで、ザスパの攻撃についてレビューしていく。
今節は、ここまで3戦で繰り返してきた鋭いカウンターに加え、ビルドアップ局面でも多くの工夫が見られた。
例えば、
- DF陣がドリブルでボールを運ぶ機会が増えた
- GK櫛引が高い位置を取ってビルドアップに参加していた
- 右SH田中稔也、必要に応じて内に絞る
- 左SH山根永遠は7本もクロスをあげた
- FW加藤潤也が効果的に降りてくる場面も増えた。
といった感じだ。さらに、控え選手が攻撃にアクセントを与える場面が目立ったように思えた。
本記事は、5名の途中出場選手を全員を紹介したいと思う。
まずは、右SBとして出場した【最終ラインの反逆児】川上優樹。
184cmの長身、CB育ちのフィジカルの強さが魅力だ。
光永選手との交代で出場。クロスをあげるのが得意な選手から、クロスに飛び込むのが得意な選手への交代だ。
試合終了間際には、FKから得意のヘディングでネットを揺らした(オフサイドで取り消し)。
ザスパには岩上・風間といったスペシャルなキッカーがいるので、彼がいることでセットプレーの得点率は大きくあがるだろう。
続いて紹介するのは、右SHとして出場した【勝利を担う熱きドリブラー】山中惇希。
高卒でザスパに加入。20歳の選手だ。ザスパでのデビュー戦となった。
田中選手との交代になった。
昨年度後半は長野にレンタル移籍、武者修行で実戦経験を積んだ。
出場時間は7分だったもの、前を向くトラップがうまく、推進力を感じるプレーだった。
相手がたまらずファールし、獲得したFKからネットを揺らすシーンも(オフサイドで取り消し)
ザスパはロングカウンターも多いチームなので、彼の推進力を発揮する機会もふんだんにあるだろう。
3人めとなるのは、左SHとして出場した天笠泰輝選手。
群馬出身で、高校時代はボランチとして高校選手権を制覇した、実力は折り紙付きの選手だ。
山根選手に代わって出場。フィニッシャーからパサーへの交代となった。
85分には、バックスピンの効いたグラウンダークロスを相手GKとDFの間に流し込み、アシスト未遂を達成した(オフサイドで取り消し)。
正確な長短のパス・鋭いクロスは、交代した山根と差別化できる点だ。
彼もまだ21歳と若い、今シーズンのブレイク候補といえよう。
続いて紹介するのは、FWとして出場した【紺蒼のゴールハンター】髙木彰人選手。
ガンバ大阪アカデミー育ちで、J3で得点を量産していた実績もある。
裏抜けが武器で、昨シーズンもロングボールに鋭い反応を多く見せていた。
加藤選手に代わって出場。トップ下タイプからストライカータイプへの交代となった。
今節では裏抜けだけでなく、ポストプレーでボールを収めるフィジカルの強さもアピールした。
同じ裏抜けが得意な選手でも、爆発的スプリントの深堀とフィジカルの高木とうまく差別化ができそうだ。
また、パスを5本中5本成功させるなど、パスでのチャンスメイクも見せた。
加藤・深堀の両FWにとって強力なライバルの登場だ。
最後に紹介するのは、FWとして出場した平松宗選手。
J1での出場経験も多くある、実績十分な長身FWだ。
深堀に代わって出場、スプリントから高さへの交代となった。
期待通りにボールをキープし、味方の攻め上がる時間を稼ぐシーンが目立った。
あとはゴールがうまれるのを待つだけだ。
以上、少し長くなったが、途中出場した5名の紹介であった。
控え選手が攻撃のアクセントになることで、安定した守備はそのままに、チームにプランが増えている様子がわかっていただけたと思う。
今節は敗戦という残念な結果になったが、チームとしては毎節毎節完成度があがっている印象を受ける。
ゴールと勝利まであと1歩、そのゴールを決めるのはアシストをするのは誰になるのだろうか?
選手間での熾烈な競争を通して、どんどん勝てるチームになっていくのか注目だ。
コメント(1)
-
SPORTERIAスタッフ
2022/3/15 11:39
ネットを揺らした3回はどれも微妙なもので、半分の1.5点くれれば…という試合でしたね😢
各選手の特徴、ありがとうございます!とても分かりやすいです💡
やはり交代枠が5あるということで、選手の個性を存分に活かして対戦相手にとっても対応し難い状況を作っていきたいですね!
>山本のヒートマップエグすぎでは…
ホントですね💦
新井選手の突破力もエグかったです。