イニエスタが埼スタにやってきた!神戸に移籍して以降埼スタでの浦和戦は必ず欠場していたイニエスタ。契約延長会見も埼スタ行かない宣言ではないかとまで揶揄されたくらいだ。そんな歴史的な(?)試合を振り返っていく。

浦和はGKに若い鈴木彩艶。そして小泉がベンチスタート。神戸はイニエスタが今季初スタメン。

フォーメーション図フォーメーション図

前半

浦和は4-4-2でセットして守る。基本的にはミドルサードで構えていた。神戸は浦和の3枚でのビルドアップに対し、基本的に古橋、イニエスタ、リンコンの3人で抑えにいく。ただしイニエスタはどちらかというと、ボランチを見ながらという形で、スプリントして寄せるシーンはほぼ無かった。


前半の最初から神戸のペースで進む。


14分に神戸がチャンスを迎える。佐々木と山川がコンビネーションで抜け出し、クロスに古橋が合わせるが、ゴールのわずか左に。


21:45〜のシーン。得点チャンスにはならなかったが、神戸はGKからのビルドアップで前進することが可能だった。飯倉が恐れずに間へとパスを出したのが素晴らしかった。このシーン以外にもユンカーと武藤の間を通して山口にパスをつけるということができていて、それが神戸のリズムを生み出していた。


32分にはこぼれ球を汰木がシュート。ミートはしたが大きく枠を外れる。


33分も明本がミドルシュートを狙うが枠の上。


浦和はなかなかペースを握れず、ゴールに迫るシーンを作り出せなかった。

一方の神戸もイニエスタを中心にボールを保持し、チャンスを作るがゴールは決められず。

スコアレスで折り返す。


後半

浦和は武藤に替えて小泉を、阿部に替えて柴戸を投入する。おそらくゲームプランとしてあったものだろうし、ポゼッションを取り返す、アグレッシブにプレッシャーをかけるという意味で的確な交代だったと思う。


後半開始2分でゲームが動く。汰木が流れてクロスを上げたボールに田中がヘディングで合わせ先制。試合後の記者会見で神戸の三浦監督は「アラートさが欠けている」と語気を強めて言っていたがまさにそのとおりだったと思う。クロスを上げられたときのボール周辺の局面は2vs3で神戸が数的有利だったにもかかわらず、流れた汰木へのアプローチが遅れている。気の緩みと言われても仕方がない。


先制点をとったこと、そして小泉が入ったことで、浦和が前半とは打って変わってボールを保持できるようになっていた。そして前半よりもアグレッシブにプレッシャーをかけていった。


52分には浦和が高い位置からプレッシャーをかけ、飯倉のパスを奪い、小泉がネットを揺らすがこれはオフサイド。追い込み方、インターセプトどれも良かっただけに、明らかなオフサイドポジションにいた小泉ではなく、伊藤が自分で行くか、ユンカーにパスをしていれば得点になっていたかもしれないシーンだった。


56分に神戸はリンコンと佐々木が負傷交代。リンコンの今日のプレーは首をかしげざるを得ないものだった。ボールを収めることもできず、シュートも大したことがなかった。


63分に神戸のチャンス。初瀬の足裏のパスを受けたイニエスタがシュートを放つが、鈴木彩艶の好セーブ。さらにこぼれ球にドウグラスが詰めるが、槙野の決死のスライディングでゴールを割らせない。


80分には浦和が岩波のサイドチェンジからチャンスを作り出す。ゴール前で関根がシュートを打つが、飯倉がなんとかセーブ。


そして84分、浦和に待望の追加点が生まれる。CKのこぼれ球を前に蹴り込み、ユンカーに渡ってボレーシュート。神戸としてはまたしてももったいない形での失点だった。ユンカーはレベルの高さを見せつけた。


その後は神戸がゴールを狙うもちぐはぐな攻撃しかできず、試合終了。浦和が2−0で勝利した。


総評

前半は神戸のペースだっただけにそこで決めれきれなかったことは神戸にとって痛かった。特に前半は高い期待値を叩き出している。ゴール期待値

そして浦和は後半開始早々に点を奪ったことで優位に試合を進められた。解説の福田さんが「リスペクトしすぎている」と言っていたように、前半は神戸にボールを持たれたが、後半にはしっかりとボールに寄せ、そしてボールを保持できていた。

攻撃スタッツ - 小泉 佳穂

小泉が入ったことで攻撃にリズムが生まれた。そして守備でも積極的にプレッシャを欠けていたのが好印象。少しタイプは違うが浦和のイニエスタと呼んでもいいくらいだ。

攻撃スタッツ - アンドレス イニエスタ

一方のイニエスタ。格の違いは見せつけたが、終盤はほぼ試合から消えていた。替えたかったのだろうが、スコア的に難しかったのだろう。


浦和はシーズン序盤は心配したものの、良いサッカーをできるようになった。一方の神戸は、いい試合ができているが、修正力に課題を感じる。監督の差が出た試合と言っていいかもしれない。