月曜日に行われた秋田vs新潟のゲーム。今回はこの試合のレビューをしていく。甲府vs新潟、新潟vs岡山の試合は書くのをサボってしまった💦また今回から、以前のような試合のシーンを追っていくのはやめ、よりデータの部分にフォーカスしていこうと思う。


新潟は3試合ぶりの勝利、それもどのチームも苦しんだ秋田のホームで完封勝利。ここ数試合結果が出なく、前節は大きな議論を生んだ誤審もあり、ここが上位に留まるための正念場という試合で新潟はなぜ勝てたのか。


データで見る試合内容

まずは試合の大まかな内容をデータで見ていく。

基本スタッツゴール期待値

シュート(枠内シュート)数は新潟17(7)、秋田9(4)。新潟が上回った。


ゴール期待値(xG)を見ても新潟の圧勝。もちろん秋田のプレースタイルを鑑みて、少しの数字の差であれば試合上の差はほとんど無かったと言えるだろうが、この試合は、大きく差をつけている。そして秋田のホーム直近3試合のxGは1.75(琉球戦)、2.23(山口戦)、1.6(磐田戦)と平均1.86で、これを見ても新潟はしっかり守ることも出来ていたと言える。



最後にアクチュアルプレーイングタイム(APT)だ。このデータはFootball LABから引用させていただく。秋田や栃木などのチームは、実際のプレー時間を少なくすることで、勝率を高めようとしている。秋田のホーム直近3試合のAPTは39分55秒(琉球戦)、42分04秒(山口戦)、48分04秒(磐田戦)。(通常どの国でも60分前後の数値である)。一方この試合は48分16秒。ボール支配率も高く、プレー時間もある程度引き延ばせたというところも充実した試合内容だったことが分かる。


上記はデータで見て分かる試合内容の充実ぶりだが、なぜ上手くいったのかという原因はどこにあるのだろうか。明確にこれとは答えられないが、今までの試合とは変わった起用法、そこにヒントがあると思う。

スタメン変更


フォーメーション図

新潟は左に星、右に三戸を起用。ここ数試合、谷口と鈴木の両方をスタメン起用することが多かったが、この試合は谷口をベンチに置き、さらに本間をベンチにおいた。

しっかりと幅を取って仕掛けることができる選手を両サイドに起用する目的があったのだろうと思う。

攻撃スタッツ - 星 雄次攻撃スタッツ - 三戸 舜介

星は何でもそつなくこなすという感じで、落ち着いたプレーを披露。1点目の崩しに関わっていた。残念ながら脳震盪の疑いで交代となった三戸だが、再三ドリブルで仕掛けチャンスを生み出していた。特に34分の鋭いドリブルで敵陣深くに切り込みシュートにまで繋げたシーンは素晴らしかった。またすぐにピッチで元気な姿が見れるよう回復を願っている。


藤原奏哉2.0

藤原奏哉。今季から新潟に加入し、不動のスタメンとなっている。藤原の技術と戦術理解度の高さはサポーターのみならず、解説者、メディアからも称賛を受けている。藤原の特筆すべき点はそのポジショニングにある。SHとの位置関係を見ながら、幅を取る役割と内側に入る役割を柔軟にこなしている。去年、シーズン中盤に早川が左SBとして同じような役割を担っており、本間との連携でいいプレーを見せていたが、今シーズンは最初からそのようなプレーが見ることができている。新潟に移籍する前の藤原のプレーは見たことがなかったが、もともとはボランチで昨シーズンに北九州でSBにコンバートされたらしい。SB一本で獲ったのか、SBもできるボランチとして獲ったのか定かではないが、ここまで素晴らしい活躍をみせていた。

が、「今までのはまだ序の口だよ」とでもいうようなパフォーマンスを秋田戦で見せた。まずはヒートマップを見てほしい。左が前節岡山戦、右が今節秋田戦だ。

ヒートマップ - 藤原 奏哉ヒートマップ - 藤原 奏哉

明らかな違いが見てとれる。今節は藤原が明らかに中に入ってきているのがわかる。しっかりとボールを受け、捌き、さらにはPA内にも侵入している。シュートも3本を記録した。


攻撃スタッツ - 藤原 奏哉 内側に入ることで三戸のプレーエリアを広げ、秋田は特に前半は思うような守備が出来ていなかった。

新たな藤原奏哉を見ることが出来た試合だった。







負けなかった空中戦

背後にボールを送り込んでくる秋田を止めるのに、ハイボールの処理は重要なことである。

舞行龍が累積警告で出場停止の中、千葉の相方の人選には議論が起こっていた。今までのセカンドチョイスは早川だったが、秋田のことを考えると対人に強く、スピードのある岡本がいいのではないかなどという意見も見られた。そんな中、選出されたのは早川だった。ユーティリティープレーヤーで、技術、戦術理解度ともに高い一方で、身体能力はそこまで高く無いといったところ。

押し込まれるのではないか、と心配したが、そんな心配は無用だった。

守備スタッツ - 千葉 和彦守備スタッツ - 早川 史哉

データではあまりわからないが、ハイボールに対しても競り合いで負けなかった。

そして攻撃でもしっかりと貢献した。

攻撃スタッツ - 千葉 和彦攻撃スタッツ - 早川 史哉


まとめ

ここ最近思うようなゲームが出来ていなかった新潟であったが、この試合は内容も良く、しっかりと勝ちきることが出来た。一方で、停滞している攻撃の改善策というのは見つかっていない印象も受けた。さらにレベルの高い相手に対しても勝利を得るために、まだまだ新潟の試行錯誤は続くだろう。