10/31時点で、J1得点ランキング同率3位に並ぶ小林悠選手(川崎フロンターレ)とエレキ選手(横浜F・マリノス)の2選手。

日本人ストライカーとブラジル人ストライカーのプレーにはどのような違いがあるのか、はたまた共通点があるのか。

同じ12ゴールを挙げるこの2選手をデータに基づき分析し、その魅力に迫っていく。


小林悠選手(川崎フロンターレ)

<基本データ>



*J.REAGUE.jp(https://www.jleague.jp/player/801035/#teamplay)より引用


主にセンターフォワードとして出場。

シュート決定率は18.8%を誇り、プロ12年目となったフロンターレのベテラン選手。

177cmと決して体格に恵まれている訳ではないが、そのボディバランスの良さを活かしたワンタッチでのポストプレーも強みの一つである。



<プレーデータ>

それぞれの指標を20段階で評価。偏差値から下表の通りにRateを表示している。

*Football LAB(https://www.football-lab.jp/player/801035/)より引用


決定力とワンタッチシュートの成功率の高さ、パスレスポンス(「パスレシーブCBP」「ペナルティエリア内パス受け数」「スルーパス受けからのシュート数」「ロングパス受け数(空中戦除く)」の4つのデータから合成関数を作り、「パスレスポンス力」とした。)の高さが目立つ。

また、裏への抜け出しや中から外への動き出しの上手さがその得点力に繋がっている。

相手DFの裏を取りフリーの状態を作り出しているからこそ、ワンタッチシュートやヘディングシュートの数値が高いのだと考えられる。

以下の動画でも、小林選手本人も相手の視線と身体の向きを見た上での動き出しを自身の強みとして語っている。




エレキ選手(横浜F・マリノス)

<基本データ>



*J.REAGUE.jp(https://www.jleague.jp/player/1627565/#attack)より引用


170cmと小林選手よりもさらに小柄ではあるが、そのスピードと身体能力の高さが魅力の選手。

ゴール前での冷静さを合わせ持ち、シュート決定率26.1%を誇る。

右利きではあるが、左足得点数5、右足得点数6と左右どちらからも質の高いシュートを放ち、相手ゴールを脅かす。


<プレーデータ>

*Football LAB(https://www.football-lab.jp/player/1627565/)より引用


小林選手ほど飛び抜けた数値は少ないもののパスレスポンスと決定力で高い数値をマーク。

ドリブル、クロス、パスと様々なプレーからチャンスを作り出すことができ、チームの攻撃の中心選手となっている。



<特徴的なゴールシーン>

小林悠選手


①3:01〜 2019年10月6日 第28節 湘南ベルマーレ戦

外から中への動きで相手DFの背後を取り、ワンタッチシュートを決めたシーン。

相手DF2枚に対し外から中への動きでシュートを打てる状態を作り出すという、動き出しの上手さが目立つゴール。


②3:27〜 2019年11月5日 第32節 浦和レッズ戦

PKマーク付近で後ろからのクロスボールをヘディングで合わせたシーン。

ボールを受ける前に一度外への動きを見せることで相手DFを惑わせ、中に力強く走り込みパワーを持って頭で合わせた。

①のシーンと同様にゴール前での相手を剥がす動き出しの上手さが目立つゴール。


エレキ選手

①2019年12月7日 第34節 FC東京戦

ペナルティエリア内でパスを受け、相手DF2枚に挟まれるものの冷静に左足でコースに決めたシーン。

本人も動画内で話しているが、ゴール前で相手2枚に挟まれたとしてもGKのポジショニングを見て狙い撃ちできる冷静さや判断力、そしてそれに伴った技術の高さが現れたゴール。


②2019年8月14日 J1リーグ第24節 名古屋グランパス戦


左サイドからのクロスを胸で柔らかくトラップし、そのまま芸術的なバイシクルシュートを決めたシーン。

外国人選手ならではの身体能力の高さ、ゴール前の自由なアイデアが垣間見えたゴール。



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決して体格に恵まれたわけではない2人のストライカーは、ゴール前での冷静さとそれに伴った技術の高さが共通している。

これは小林悠選手とエリキ選手に限らず、他の優秀なストライカーに共通しているだろう。


頭脳を使い相手DFの裏を取ってゴールを奪う小林悠選手。

スピードと身体能力の高さを活かしゴールを奪うエリキ選手。

冷静に、かつ熱いプレーを魅せてくれるこの2選手からこれからも目が離せない。

2020年の残りシーズン、そして来年以降のシーズンでも活躍に期待したい。