前節までの対戦成績得失点パターン

2020年12月20日。J2昇格を阻んだあの日以来の長野Uスタジアム。

2021年。昇格の有力候補と目された長野さんだったが、開幕戦で勝って以来、8試合勝ち点3を掴めなかった。守備は悪くなかったものの、攻撃での迫力不足を感じた。

しかし、天皇杯川崎戦で敗れたものの、J1王者を追いつめてから流れが一変。アウェイ鳥取戦での8得点からの4連勝。後半開幕戦も宮崎さんに粘り強い守備から勝利した。

ヒートマップ - 人見 拓哉攻撃スタッツ - 人見 拓哉

琉球から育成型期限付き移籍で加入した人見選手。ロングボールにしっかり競ってくれるFWである。前回対戦の長野さんは、1トップに中央でポストになれる選手がおらず、サイドに開いて起点を作ろうとしたが、岩手に潰されてしまっていた。

宮崎さんは、後ろからしっかり繋ぐチームなので、15時KOで30℃を超える環境の中奪って長いボールを蹴って、競って時間を作ってくれる選手はありがたかっただろう。

岩手戦では長野さんがボールを握る時間が多くなると思われるので、どういう選択をするか分からないが、中央に怖い存在がいる事は非常に脅威となる。その事が右サイドの三田選手を始めとする周りの選手にも効果を波及する。

この試合の構造面からふれるが、長野さんの1-4-1-2-3に対し、中盤において数的不利な状況が作られる。前半戦アンカーを採用していた岐阜さん、YSCCさん、富山さん、熊本さんといい結果を得られなかった。このシステムを使用している以上避けては通れない問題ではあるが、どう対応するか見てみよう。

また長野さんは、前節16分に先制してから、守備時にボランチ2枚気味にした1-4-4-1-1で対応してきた。岩手が攻撃に切り替わる際にシャドー2枚が使える空間がアンカー脇に発生するが、ボランチ2枚となると、使う側もパスを出す側にも厳しい形になる。先に点を取られると難しい時間を過ごす事になる。

この試合キャプテンであり守備の中心である牟田選手が出場停止。代わりを誰が務めるかに注目が集まる。GK野澤選手との連携を含め、この1週間でどれだけ準備できたか。攻撃面におけるブレンネルの存在の大きさを感じた後半初戦。DF陣の出来が今後のチームに影響するのは間違いない。

攻撃スタッツ - 加々美 登生攻撃スタッツ - ビスマルク

後半初戦でシャドーの位置に起用された加々美選手の推進力に頼る事になる。チームとしてもはや欠かせない存在となりつつあるが、当然相手も警戒してくるが、攻撃の迫力を生み出す点でも、運動量やドリブルに期待である。また、押し込まれる事を想定しても、ポール選手のような、個人で打開できる選手を用意するか。

後半初戦、直接対決を除き上位勢はしっかり勝利した。置いてかれないよう勝ち点3を狙うのか、アウェイを考慮して勝ち点1を持ち帰るのか。注目される直接対決はどうやら雨。