勝てねば終わり。

前節までの対戦成績得失点パターン

PA内への進入傾向被PA内への進入傾向

群馬さんは前節熊本戦。1-4-4-2のコンパクトな組織。2トップが、熊本アンカー河原選手へのパスコースを切りながら、DFラインにプレッシャーをかけ外側へ誘導したが、そこで熊本攻撃陣に突破され2失点。熊本さんのパスワークに打開策を見いだせず、ロングボールを収めてほしかった平松選手も孤立してしまいなかなかキープできず、38分に北川選手へ交代という決断を行った。すぐにCKからのセカンドボールを北川選手が押し込み1点を返し、後半開始からも北川選手投入の効果から守備のハマりと2トップで起点を作る事ができ、いい流れの時間もできたが、またも熊本左サイドからのクロスで3失点目を取られてからは流れを取り戻せず、山口戦に続く、ボールを保持するチームに大敗してしまった。

パスソナー・パスネットワークエリア間パス図

前節琉球さんが勝利した事により、試合前の段階で群馬さんは岩手戦は引き分けでも残留確定という条件でなくなった。同時刻に開催される琉球さんの状況により展開は変わってくるが、ホーム最終戦で残留を確定させたい群馬さんにとっては難しい心理状態になる可能性があるし、勝利が必須な岩手にとっては、心理的なプレッシャーはほんの僅かながら軽くなっただろう。

ボールロスト位置ヒートマップ - 高木 友也

熊本さんの素晴らしさは岩手も1ヶ月前に経験した。群馬さんは噛み合わせのズレを外側に誘導する事で対処しようとした。しかし、試合後大槻監督も熊本さんのクオリティを認めたように、サイドラインに立つ選手をSHが見て、4人のDFがペナルティエリアの幅で守り、ポケットへの侵入を防ぐ狙いだっただろうが、単純に外からのクロスで失点してしまった。

フォーメーション図ゴール期待値

基本スタッツGKスタッツ - 櫛引 政敏

前回対戦は、群馬さんが岩手対策として5バックを採用した。試合終盤に守備固めとして使う事はあったが、試合開始からは初めてだったので、当時岩手がオプションとしていた2トップとの噛み合わせも含め上手く行かず、押される展開となったものの、櫛引選手のスーパーセーブと、後半途中からいつもの4バックに戻し試合の流れを取り戻し、終了間際にカウンターから平松選手のヘディングで勝利した。

決戦において、大槻監督がどういう決断をするのか見てみる事としよう。4節前のブラウブリッツ戦で低いDFラインを採用して勝利してから、チームのバランスの所で大量失点の試合になってしまった側面もあると思われる。

攻撃スタッツ - 岩上 祐三攻撃スタッツ - 山中 惇希

攻撃スタッツ - 細貝 萌攻撃スタッツ - 鈴木 国友

群馬さんのキャプテン細貝選手は開幕直後の怪我で前回対戦はいなかった。夏の移籍で加入した鈴木国友選手は、エリートリーグではあるが3月に前半だけでハットトリックしたオールマイティなFW。J2リーグで1番得点の少ないチームに外せない選手である。そして、相手陣地に入ればロングスロー、CBも上がってくる。セットプレーのキッカーでもある岩上選手、左足からのクロスも持ち味の山中選手。この2人がどういう使われ方になるかは注目となる。

攻撃スタッツ - 色摩 雄貴攻撃スタッツ - 和田 昌士

勝たなくてはならない岩手であるが、実情は非常に厳しい。今週になり大きな怪我人のリリースがあり、取材されたNHK盛岡局によると、試合前々日にも関わらず1時間の練習時間しか取られなかったという事で、コンディションが非常に危惧される。満身創痍という表現をしたのも正直な所だろう。

しかし5試合勝ちなしのチームが、今季した事のない連勝という道しか残されていない。群馬さんのウイークポイントを突く為にどういうスタメンを採用し、勝つためにどのようなプランを用意してくるか。まずは、群馬さんのスタンスを理解する所から始まる。

様々な要素が絡みあう大決戦。楽しめるキモチには1ミリもなれそうもないが、結果を受け入れる事としよう。