前節までの対戦成績得失点パターン

4節にてホーム開幕戦となる岩手。対戦相手は中山新監督のカラーを打ち出しまくっている沼津さんである。

基本スタッツパスソナー・パスネットワーク

中山監督が掲げるボールを保持して崩していくスタイル。開幕2試合でも60%近くのボール保持率だったが、八戸戦は試合展開もあり74%まで上がった。アタッキングサードへの進入が50回と、攻撃的な姿勢がありありと見える。

エリア間パス図PA内への進入傾向

攻撃スタッツ - 安在 達弥ヒートマップ - 安在 達弥

一番の特徴は、内側のポジション取りを行うSBになる。特に右の安在選手は積極的に中に入りボールを受けようとする。右ワイドの津久井選手がサイドに張る形になるので、安在選手の動きが右サイドの攻撃の活性剤となる。

攻撃スタッツ - 佐藤 尚輝ヒートマップ - 佐藤 尚輝

左ワイドの佐藤選手はセットプレーのキッカーの一人である。最初はサイドに張りながら、内側にも切り込んでくる。その空いたスペースに濱選手が出てくる形もある。左からの崩しがより多い事はデータでも出ている。

攻撃スタッツ - 菅井 拓也ヒートマップ - 菅井 拓也

攻撃スタッツ - 鈴木 拳士郎ヒートマップ - 鈴木 拳士郎

ビルドアップに困った際には、GKに戻すよりも、アンカー菅井選手が下りて安定を図る場合が多い。八戸戦は、2トップのプレッシャーに終始悩まされたが、両SBの他にこの日初スタメンのユーティリティ鈴木選手が中盤で顔を出す機会も多かった。 

沼津さんのプレースタイルは相手云々よりも、今は自分達のスタイルを貫こうとする中山監督の意思表示のように感じる。

ボールロスト位置PA内への進入傾向

岩手としては、ほぼほぼ手札の見えている沼津さんに対してどういう守備をするか。

琉球戦で全体の意思統一ができずボールを保持され逆転された経験から、FC大阪戦ではプレスの仕方で対策を図り、前半は強度の所で苦労したものの、後半序盤で先制してからは、疲労の見える相手に対しゲームをコントロールできた。今シーズンは左で作り右で仕留めるという形が、この3試合でのエリア進入図でも見える。桐選手が右サイドに入れば、右ハーフレーンの活用も含め変わっていくかもしれないが。

元チームメイトで尊敬する中山監督が求めるビルドアップにどう対処するか。ホーム開幕戦であり、これまでの言動から攻撃的なスタイルを見せボールの握り合いを選ぶのか。勝ち筋にこだわり、結果にコミットする形を選ぶのか。

元ジュビロの2人が志向する「今」のフットボール。その雰囲気をいわぎんスタジアムでぜひ堪能してほしい。