ダービーを不運な形で落とし、今節もホームに首位愛媛さんを迎える。

前節までの対戦成績得失点パターン

愛媛さんは前節鳥取戦。前半飲水タイム直後に左SB山口選手の裏へのボールに右SH曽根田選手が抜け出し先制するも、追加タイムでFKをドンピシャで合わせられこぼれ球から失点。後半は鳥取さんが3バックに変更しプレッシャーが弱まった事もありチャンスの数も増え、両ボランチのアシストから2点を取り突き放し、またしても追加タイムにFKから失点したものの、9試合負けなしとなった。

パスソナー・パスネットワークエリア間パス図PA内への進入傾向ボールロスト位置

愛媛さんは後半開幕戦の松本戦の内容を受け次の試合でスタメンを8人変更。鳥取戦ではエース松田力選手も復帰し、シュート22本枠内15本と内容も伴いながら勝利した。エリア間パス図が特徴的で、自陣より相手陣でのパス成功数が多く、試合途中並びを変え後ろを固めた鳥取戦にも狭いエリアを細かいパスで崩しPA内に進入していく。

攻撃スタッツ - 山口 竜弥ヒートマップ - 山口 竜弥

左からの進入に大きく貢献しているSB山口選手。鳥取戦も足裏を使ってのターンから見事なキックでアシストを記録した。左足の精度は間違いない。中央からの攻撃が増えているのも外にいる山口選手の存在感が大きい事もあるだろう。ただ、彼が下がってビルドアップに関与している時は全体がうまくいってないというのは開幕戦でも見られた。山口選手の位置取りがバロメーターになる。

攻撃スタッツ - 谷本 駿介攻撃スタッツ - 深澤 佑太

ルーキーの両ボランチの躍動をどう止めるかか岩手としてカギになる。鳥取戦は相手のファーストDFの緩さもあり、パスを受けボールを運び捌いて、そのままPA内にかけあがりアシストを両選手とも記録した。キャンプでの好調のまま挑んだデビューの岩手戦は非常に苦い経験となり、厳しい時期を乗り越えながら2試合連続ボランチとして出場している。今のキャストがキャンプ時に好調だったバランスに近いのだろう。行友選手が移籍準備の為離脱となったが、この岩手戦は愛媛さん、石丸監督にとっても格好のリベンジマッチとなる。

被PA内への進入傾向被PA内への進入傾向

今週界隈を賑わせた岩手としては、臆する事なく試合が展開できるか。今シーズンの勝利が全て1点差の勝負強い首位愛媛さんに対しボールを握り、主導権を握る松原スタイルをホームのお客様の前で発揮できるか。愛媛さんが前節追加タイムのセットプレーで失点したように課題はある。ただこの試合は、ここまで自分達が貫いてきたスタイルを選手達が自信を持って表現できるかという所にフォーカスして見守りたいと思う。