2023 J3第29節 沼津 - 岩手 プレビュー 休足

小野伸二選手おつかれさまでした。

沼津さんは前節鳥取戦。鳥取さんの前線からのアグレッシブな守備にいつものビルドアップが安定せず、津久井選手へのフィードも愛鷹の風の影響でポイントが作れず、試合のリズムが掴めず、後半に左サイドのクロスからの流れで失点。７５分に途中出場の左ＦＷ森選手がカットインからＧＫの頭を越えるループシュートで追いついたが、追加タイムで鳥取さん特別指定の常安選手のパスから田村選手に決められ、１ｘ２で終了、ホーム戦３連敗となった。

菅井キャプテンが仰っていた、昨年とは選手があまり変わっていないというキャスティングの中、ここまで上位争いに絡んでいる中山監督や鈴木コーチ等の指導部の尽力は素晴らしい。

開幕時からビルドアップにこだわってプレーきたが、愛媛の石丸監督が９月の振り返り動画で、やり方がはっきりしているのでプランがハマったと振り返られているように、上位との直接対決で３連敗という結果を受け、新たなオプションをここ２試合では取り入れているように感じる。

序盤はサブが多かったブラウンノア選手が覚醒し１０得点、さらに８月に川又選手が加入し、最前線でポイントが作れる選手が入った事によって、沼津さんは新たな選択肢を加えられた。

鳥取戦でもビルドアップに積極的にプレスをかけてくる相手に対し、ブラウンノア選手や右ＦＷ津久井選手へのフィードを逃げ道として使用していた。

ビルドアップ時に両ＳＢが中の立ち位置を取る形も相変わらずだが、そこまで頻度は多くなくなっている印象だ。岩手が前節宮崎戦で、１５分に先制する前に宮崎さんのゴールキックを前から捕まえに行く機会があったので、沼津さんもゴールキックの際は様子を見るだろうが、基本は岩手１トップに対し２ＣＢ＋アンカー菅井選手の所から試合が動いていくので、Ｊ３リーグでは数少ない５－４ブロックをどう攻略してくるかは上位を目指す沼津さんにとっては越えなくてはいけない壁となる。鳥取戦では出場停止だったＭＦ持井選手や両ＳＢがどう攻撃で絡んでくるか。

そこまで強固とは言えない沼津さんの守備の砦である武者選手。守護神として立派に成長している。

岩手としては、個の優位性で流れを持ってこれる事は宮崎戦で証明した。しかし、ＣＫから得点しその後負傷交代したＤＦ宮市選手がこの試合に間に合うかは見てみる事としよう。もし出られないとなると、４－４ブロックで構えられた時にどう前進するかこの１週間の変化が重要となる。

ホーム３連敗という状況の沼津さんが、どういう心理状況でこの試合に臨むか。これまでのスタイルに自信を取り戻せるか、リスクをチームとしてどう取るか。

おじさん的には、かつての２強時代のその後の世界線ともいえる試合。ノスタルジーに浸っていてはいけないし、過去に縛られてはいけない。それでもフットボールは続く。