パスソナー・パスネットワークボールロスト位置

栃木さんは前節甲府戦。コイントスで風上を選び、前線からの積極的な守備と奪ったボールをすぐに2トップに当てる形で流れを呼び、11分左サイドに流れた奥田選手のクロスから大島選手が頭で合わせ先制。ロングボールを封じられた甲府さんは、アダイウトンを中心とした左サイドからの崩しからアーリークロスで迫り、PKで同点に追いつく。

後半は風下となり、ロングボールでハイプレスが効かずに苦しい時間を過ごしたが、3CBと丹野GKの強固な守備で耐え、セカンドボールの奪い合いから抜け出した神戸選手のドリブルから中央を突破し宮崎選手が得点。その後は選手交代で前線の守備強度を保ち、ACLがありチームとしての完成度と個の能力が高かった甲府さんに対し逃げきった。

守備スタッツ - 神戸 康輔ヒートマップ - 神戸 康輔

普段J3を見ている者にとって、5-3-2の守備で4バックに対しハイプレスに行く際に、SBにボールが入る際のプレッシャーが遅くなりそこから展開される場面をよく見るのだが、栃木さんはIHのプレスが速く、その際逆サイドのIHもかなり中へ絞った位置取りを取るので、風下で長いボールが使いずらかった甲府さんにとって、ビルドアップで苦労する要因となっていた。

前線の積極的かつ忠実な守備により、アンカー神戸選手の広い位置でのボール奪取が光った。

エリア間パス図ボールロスト位置

水曜日はルヴァンカップとなる。今季初開催となるいわぎんスタジアムの芝の状況が気になるが、ボールを握りたくない両チームにとって先制点はとても大きなものとなるだろう。

甲府戦後のインタビューで田中監督が「ホッとした」と安堵の表情で語ったように、勝利を収めた事でプレッシャーは少なくなっただろう。ルヴァンカップはサブが9人登録でき、前線の選手を安心して用意する事ができる。ベンチ外だった守備の所に不安があるイスマイラや、セットプレーのキッカーを務める替えのきかない両ワイドがどうなるか見てみよう。

そして攻撃の時間が増える中で3CB+アンカーでどういうビルドアップをするか。GKを含めたDFラインのチョイスがどうなるか。格下の相手に対しどう崩すかという所を見せていきたい。堅守速攻という所だけではJ2リーグは生き残れない。