鹿島は前節から4人変更。センターバックに町田浩樹、左サイドバックに永戸勝也、2列目に和泉竜司が入る。また、エヴェラウドがベンチスタートとなり、前線には19試合ぶりのスタメンとなる上田綺世が起用。ベンチには久々に伊藤翔が入った。

神戸は前節から7人変更。 キーパーは前川黛也で、最終ラインは右から古巣対戦となる西大伍、菊池流帆、大﨑玲央、初瀬亮の4バック。アンカーに山口蛍を置いて、インサイドにアンドレス・イニエスタと安井拓也。前線は鹿島キラー藤本憲明を頂点に、右に田中順也、左に古橋亨梧という並びになった。 フォーメーション図フォーメーション図


鹿島が勝った理由とは


立ち上がりは、神戸がボールを支配する形で始まった。神戸の組み立てはピッチ全体を最大限活かす形で行われた。サイドを広く使うのはサイドバックとウイングの役目で、ウイングはサイドから裏への抜けだしも狙い、相手の最終ラインを下げさせる役割も務めるなど、個々の役割が明確化された。

鹿島では、組織的な守備で神戸の役割が明確化された組み立てを逆手に取り、神戸に効果的な攻撃を許さなかった。神戸に高いスペースと時間を与えず、位置でしっかりボールを奪いきれていたし、そこから裏への素早いパスが成功していた。鹿島からすると繋いできてくれるチームの方が戦いやすかったと思う。



基本スタッツ


後半から、また神戸がボールの支配を強めていったが、それでもアントラーズは各選手がコミュニケーションを取り合いながらポジションを細かく取り相手に自由を与えないようにし、一方的な展開を許さなかった。しかし、鹿島は高い位置でボールを奪う機会が極端に減り、鹿島にカウンターの機会を作らせなくなった神戸は徐々にボールの保持から鹿島を追い込んでいく。


どんどん神戸に追い込まれていく鹿島だったが、そんな中で状況を変えたのが68分の選手交代である。


68分に鹿島は上田選手に代わってエヴェラウド選手を投入した。エヴェラウド選手はシュートシーンに絡む機会は少なかったが、エヴェラウド選手の登場によりカウンターで一気に攻めるか、守備で耐えるかの二択しかなかったところをエヴェラウド選手にパスすることで彼のところでボールを落ち着かせることができるようになった。それにより、鹿島はボール保持の時間を増やし劣勢から徐々に盛り返していったと思う。



攻撃スタッツ - エヴェラウドヒートマップ - エヴェラウド


まとめ


鹿島の勝利は相手の戦略を即座に見抜き、適切な対応策を打って自分たちのペースに持ち込んだことだと思う。さらに、神戸の様に個々の力ではなく、チームプレーで掴み取った勝利だと思う。


参考動画

sportsnavi

明治安田生命J1リーグ 第33節 神戸vs鹿島

https://sports.yahoo.co.jp/video/player/3390525