先日、

FC東京アルベル監督の巻(前編) | SPORTERIA

FC東京アルベル監督の巻(後編) | SPORTERIA

を通じてFC東京の中断前後の変化を確認しました。

今回はポジション別のCBPを通じて変化を見て行きます。


FC東京の中断前後のCBPは下表の通りです。この数字は選手個々のCBPの平均です。なおFPはフィールドプレイヤーを意味しています。

パスCBPとパスレシーブCBPのみt検定において5%水準で有意となっています。

パスCBPとパスレシーブCBPの中断前後のポジション別の値は下表の通りです。中断前にOH(オフェンシブハーフ)を配置した試合が2試合あるようですが、試合数が少ないため除外します。


上表の一番右の数字をポジション別に落とし込みました。パスCBPはGK(ゴールキーパー)も追加しました。ポジションはELGOLAZOの図を参考にしました。まずはパスCBPです。

赤色のセルは平均以上に値が上昇しているポジションです。CB、CH、LSH、RSHが上昇しています。後方センターラインから、前方両サイドにかけて上昇していることが分かります。

次はパスレシーブCBPです。増えたパスをどのポジションが受けたかということです。

値が上昇したのはLSB、RSB、LSH、RSHです。両サイドの値が上昇し、両サイドの選手がパスを受けていることが分かります。FC東京は中断後はサイド攻撃が増えたと考えられます。

パスレシーブCBPの値が高い両サイドの選手は下記の通りです。

特に渡邊選手の値が高いです。

LSB、RSBのパスレシーブCBPは上昇しましたが、パスCBPは上昇していません。受けたパスはどうなったのでしょうか。

次はクロスCBPです。

LSB、RSBの値が上昇しています。受けたパスはクロスへとつなげていたようです。クロスCBPが上昇したということは、かなり高い位置まで進入していたことも推測できます。FC東京は中断後、ポゼッション型へシフトしていきましたので、ボールを保持することで両SBが高い位置に進入することが可能になったのでしょう。


次はシュートCBPです。

値が上昇したのはLSHと交代で入った選手です。Football LABにおけるクロスの定義は、

グラウンドの3分の1を越えたペナルティエリア両脇の延長線の外から出したパス、もしくは、ペナルティエリア内でもゴールエリアの縦のラインより外側から出し、ペナルティエリア中央付近を狙ったパスをクロスとしています。パスと同様セットプレーは除かれます。チャンスビルディングポイントとは | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB (football-lab.jp)

となっています。両SBのクロスCBPが上昇してもシュートCBPはLSHのみが上昇していることから、RSBからはサイドを超えたクロス、LSBからは同サイドへのクロス(パス)が入ったのではないでしょうか。交代選手はよく分かりません。CFの値が下降していることは気がかりです。


次はゴールCBPです。

LSH、RSH、LSB、交代選手の値が上昇しています。サイドからゴールに迫ったことが分かります。またシュートCBP同様、CFの値が下降していることは気がかりです。


次はドリブルCBPです。

こちらも両サイドの値が上昇しています。FC東京は中断後パス本数が増えましたが、両サイドはドリブルで仕掛けることもできていたようです。パスとドリブルの併用、良く言えばハイブリッドですかね。

このように見て行くと、FC東京は中断後はポゼッション志向になりましたが、サイドから攻撃していることが分かります。中央突破ではありません。


参考までに守備に関するCBPも見ましょう。守備に関しては平均CBPは下降しましたので、図の赤色のセルは「プラスの値」を示します。「平均より上」ではありません。

まずは奪取CBPです。

RSH、RSBの値が上昇しています。右サイドの奪取力が上がっています。

次は守備CBPです。

RSBの値が上昇しています。

守備に関するCBPは右サイドが上昇していました。


FC東京は中断後ポゼッション志向になりましたが、特にサイドの攻防が激しくなっていることが分かりました。

簡単ですが以上で終わります。

いつものことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。