更なる強さへの試練その2


4連勝を狙った柏だったが広島に0-3で完敗。内容も25節鳥栖戦と同様に力の差を感じる試合となった。

更なる強さへの試練 2021 J1第25節 柏 1-3 鳥栖レビュー


フォーメーション図基本スタッツ


前節FC東京戦のレビューでは勝因を3つ挙げたが今節はそれがどれもハマらず敗戦。好守において更なる向上が必要と感じた。

2021 J1第28節 FC東京 0-1 柏 レビュー

スタメンに動ける瀬川と武藤を配置し対人が強い広島の守備陣の裏やサイドを狙うと想定されたが、チームとして効果的にボールを運べず、瀬川やクリスティアーノにボールが通るか通らないかだけの単調な攻撃になりパスネットワーク図を見ても柏のパスは前線へ矢印が出ていない。一方、広島のパスは後方、中盤、前線、左右と矢印が複数の選手に強く向いている。特に右サイドの野上、青山、柴崎、藤井の4人それぞれに色濃く矢印が出ており、先制点もこの4人でパスをつなぎ、青山の見事なスルーパスからドウグラスヴィエイラが決めた。

パスソナー・パスネットワークパスソナー・パスネットワーク

連勝中の柏は、相手にボールを保持されてもパスを回されても中央を固めパスを防いできたが、この試合は広島のパスワークにより中央を破られた。

エリア間パス図

エリア間パス図エリア間パス図エリア間パス図

その原動力は中盤の青山と柴崎のベテラン2選手。前後でポジションを入れ替えながら柏のマークを外し高いパス成功数を記録した。

攻撃スタッツ - 青山 敏弘攻撃スタッツ - 柴崎 晃誠

反撃に出たい柏だったが更に2失点。2点めは前掛かりになったところ裏を狙われキムスンギュの判断ミスを誘い、3点めは1点目とは逆に左サイドを破るとDFのクリアミスをドウグラスヴィエイラが抜け目なく得点するなど狙いどおりに広島が試合を終わらせた。

難しい試合でも失点を最小限に抑える努力は必要であり守備のミスは試合をより難しくしてしまう。攻撃にリズムがでなくともセットプレーや個のプレーによる打開、工夫は必要、交代出場の神谷やマテウたスサヴィオにはそれが求められていた。上位にチャレンジするために必要なことがわかった試合であり、残りリーグ戦に求めていきたいと感じた試合だった。


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