ゴールへ”走る脚”と”道筋”

リーグ4節のホーム福岡戦は1-0、粘り強く守り連敗することなく勝利した。

フォーメーション図

システムは変わらず3-5-2、スタメンに中村が復帰し、小屋松がリーグ初先発となった。

小屋松は前後左右に幅広い運動量を見せ、この試合の選手の中での最長走行距離12.3㎞を記録、数多くボールに絡んだ。低い位置まで降りて古賀からボールを引き出し(鹿島戦と比較し)左サイドからボールを循環させた。

攻撃スタッツ - 小屋松 知哉ヒートマップ - 小屋松 知哉

パスソナー・パスネットワークパスソナー・パスネットワーク

中村は右サイドだけでなく中央にも位置取りし技術の高さを見せボールを保持しパス供給源となった。

攻撃スタッツ - 中村 慶太ヒートマップ - 中村 慶太

その中村のパスを起点として29分に柏の得点が生まれる。マテウスサヴィオが低い位置で右サイドの中村にボールをあずけ相手左サイドバックの裏へ走る。中村の浮き球パスをスペースで足元に収めたサヴィオはサイドバックをカバーするCBを引き連れて内側に切れ込む。エリア手前の細谷へパスを通しサヴィオは更に内側へ走るモーションを見せるも縦のスペースへ走る方向を変える。この時点でマークのCBを外したサヴィオは、もう一人のCBのカバーリングも間に合わないタイミングでニアゾーンまで走り込むことに成功。細谷のワンツーパスを受けたサヴィオはニアサイドの上、GKの左肩上を狙う見事なゴールを決めた。起点からゴールシーンまで駆け抜けたマテウスサヴィオの”走る脚”と、中村、サヴィオ、細谷でつくったゴールまでの”道筋”は、今シーズンの『走る日立(柏)』を象徴するシーンになると思わせた。

攻撃スタッツ - マテウス サヴィオ


しかし得点後は福岡に圧倒的に攻め込まれる展開となる。シュート数(柏6-福岡18)、パス成功数(柏331-福岡426)、ラストパス(柏6-福岡15)、クロス数(柏13-福岡33)と基本スタッツの数も福岡に圧倒された。

基本スタッツ

後半はサイドからのクロスで攻勢を強める福岡に3バックの大南、高橋、古賀とGKキムスンギュで耐える展開となる。福岡のボールロスト位置からも福岡がクロスからエリアまでボールを送り、柏が弾き返し耐えていたことがわかる。特にCB中央の高橋は最多となるクリア数13本を記録し、キムスンギュは59分のルキアンのヘディングシュートをはじめ、エリア内シュートを4本ストップし福岡の攻撃を完封した。

ボールロスト位置

守備スタッツ - 高橋 祐治GKスタッツ - キム スンギュ

鹿島戦と同様に、こぼれ球奪取(柏30-福岡42)で相手にペースを握られ取り戻せない時間が続いたのは課題であり、真家と戸嶋に訪れた追加点のチャンスも決めておきたかった。とはいえ開幕4試合を3勝と昨シーズンの1勝を上回れたことは現時点での大きな成果であり、その原動力でもある”走る姿勢”はブレることなく駆け抜けてほしい。


【柏アカデミー出身比率】

スタメン:DF古賀、FW細谷 

 ※スタメン比率18%(2/11) 

リザーブ:GK佐々木、DF上島、MF山田、FW真家

 ※出場比率20%(3/15) ※メンバー入り比率33%(6/18)  


【柏アカデミー出身比率(リーグ4節まで)】

スタメン比率25%(11/44) 出場比率23%(14/60) メンバー入り比率35%(25/72)