公式戦では初の開催となるサンガスタジアム。ピッチ上では25度以上、湿度60%を超える中、初戦を勝利で飾りたい京都イレブンに対し、磐田イレブンは気の抜けたような様子でゲームに入っていた。
この試合、磐田は守備局面を4-4-2、攻撃時には3-3-2-2のような可変システムで挑んだ。
相手からボールを奪取し、GK八田から丁寧にビルドアップ。
DF宮崎とDF小川大貴がワイドに開き、MF伊藤が2CBの間に割って入る(ダウン3)。
MF山本は、伊藤が降りて抜けたスペースへ斜めに下がる形でボールを受ける。
前線はFW小川航基が京都DFバイスと対峙し、FWルキアンが左サイドに流れてきていた。
ミドル・サード(ゾーン2)までの侵入は容易にできていた。
ところが、その先のアタッキング・サード(ゾーン3)ではどうだっただろうか?
山本や伊藤から逆サイドに大きく展開しても、京都の守備ブロックは中央後方を基準にスペースを締めているため、その外側を行ったり来たりするのみ。そのためアウトスイング系のクロスで終わる場面が多く、単調な場面が続いてしまう。
それでも前半序盤は左サイドで、京都DF森脇を背負って降りてきたルキアンがそのままパスをはたいて潰れ、引っ張り出したそのスペースに小川航基が斜めにランニングするなど良い場面はあった。
だが、この試合を通して高いポゼッションを誇っていたものの、決定機と呼べるチャンスも少なかった。また再三にわたりクロスを上げるも、小川航基とルキアンのアクションが被っており、変化が生まれないので京都DFバイスに弾かれる。
また、試合の流れで2トップが入れ替わってルキアンがピッチ中央でボールを背負うも、ボールを受けようとアクションを起こしている小川航基を視野に入れていないのか、無理に反転してまたもや鉄壁バイスに阻まれる。
この試合を通して、磐田イレブンはピッチ状況を誰一人として把握できていないように見えた。
もちろん、僕も10年以上プレーした経験があるのでピッチの目線と、テレビの俯瞰の視点の差があるのはわかる。とはいえ、試合中に聞こえるのはフベロ監督がルキアンのポジションを修正するコーチングのみで、選手間で声を張り上げて修正を行うような声は聞こえてこなかった。
さらに、この試合は前後半に1度ずつ、給水タイムがあったのに磐田サイドは有効活用できていたようには見えない。
皆さんは覚えているだろうか?
2014年ワールドカップ ブラジル大会の決勝トーナメント第1回戦 オランダvsメキシコ戦を。
この試合は猛暑の中でピッチに日差しが降り注ぎ、W杯史上初めて給水タイムがとられた。
そして、0ー0で前半を終えていた中、後半開始早々にメキシコが先制。
前に出るしかないオランダは、後半にとられた給水タイムを使って戦術修正を行う。
その結果、後半終盤に2−1と大逆転し、そのまま勝利を収めて駒を進めた。
この時、オランダ代表監督を務めていたファン・ハール監督にとっても珍しい給水タイムだったものを、あらかじめ周到に準備をしておき上手く利用して勝利に導いている。
近年では、より熱中症の危険が問われるため当たり前のようにとられる。この時間を上手く利用して修正を行い、かつ交代枠5人という今季特別ルールをどう使うかも大きく勝敗を占いそうだ。
コメント(3)
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GreenGreen
2020/7/3 15:08
給水タイムは、戦術確認や変更の重要なポイントになりそうですね。
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GreenGreen
2020/7/3 15:08
給水タイムは、戦術確認や変更の重要なポイントになりそうですね。
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きたん
2020/7/6 14:22
飲水タイムまで個々が給水出来ないのは辛そうですね。給水後身体が軽くなるので試合展開が激しくなりそうですよね。