まずは両チームのスタメンから見ていく。

フォーメーション図フォーメーション図

ここで気になるのは柏のスターティングメンバーだ。前節までは3₋5₋2とペドロ・ハウルを誰かと組ませた2トップが続いていた。しかし、ペドロ・ハウルにおさまった後の周りのサポートなどの連携がうまくいかず、今節はどう改善してくるかが1つのカギとなっていた。それが見えたのがこの3₋4₋3のシステムと言えるだろう。単純にペドロ・ハウルにより近い位置に選手を多くしたことでペドロ・ハウルにボールがおさまった時のサポートに誰かしら受けに行ける態勢を作りにいった

結果としてはペドロ・ハウルがオン・ザ・ボール時のボールをキープしている時間は順番から4秒、2秒、1.5秒、2.5秒、9.5秒、5.5秒、6秒となった。この全6回中4回の半数以上が4秒以上持っているためここの時間が短縮されるようになればよりアタッキングサードの崩しが素早くなり、より確実にフィニッシュに持っていけるようになるだろう。とはいえ、ペナルティエリアまで相手守備陣を崩さなくともゴールの可能性があるのが柏レイソルのスタイルなのかもしれない。それはクリスティアーノの存在が影響している。彼は今節シュート全6本中5本がペナルティエリア外からのシュートとなっていた。得点を決めた1回のシュート以外は全てエリア外からだった。ミドルシュートでの得点こそなかったがどれも可能性を秘めたシュートだった。リーグ再開後はこのようなブラジル人選手の活躍が今後の柏の運命を左右してくることになるかもしれない。


一方、鹿島アントラーズだが、最終ラインから縦へのロングボールを多用していた。

この意図としては背後へのロングボールをケアするために柏の高い最終ラインを引かせるためだろうか。DFラインが下がるとMFとDFの間に大きなスペースが空き、ボランチ(レオ・シルバ、ディエゴ・ピトゥカ)が自由に動き回れるスペースを作り出そうとしていた。


また、鹿島の特徴であるサイド攻撃だが、もっとイマジネーション溢れる攻撃が見たかった。柏が守備時は5バックで幅広く守るためかサイドバックの攻撃は普段より効いている印象はなかった。


今節柏レイソルのPickup選手

攻撃スタッツ - ペドロ ハウル

23番 ペドロ・ハウル

身長は192cmと前線でボールをおさめることができる大型FWだ。

チームのVisionの重要人物。

前節の横浜F・マリノス戦ではチアゴ・マルチンスとの激しいエアバトルを制していたが、今節ではそのようなシーンは見られなかった。よりロングボールをおさめられるようになると柏のVisionを体現する母数を自然と増やすことができる。

攻撃スタッツ - クリスティアーノ

9番 クリスティアーノ

先制ゴールを決め、チームに勝利をもたらすことができた。

持ち味は遠目からも狙えるパワフルなシュートだけでなく、クロスなどチャンスメイクでも貢献できる。

攻撃スタッツ - 戸嶋 祥郎

28番 戸嶋 祥郎

インテンシティが高く、球際にも厳しいプレスでボールを奪い、カウンターでの得点に絡むことができた。