失点数がJ2ワーストであり、直近2試合ではともに4失点を喫しているレノファ山口FC。

第27節ではJ2得点ランクトップのピーターウタカ擁する京都サンガF.C.と対戦しました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

京都は前節からスタメンを6人変更。ゴールキーパーの清水圭介は開幕節の山口戦以来の出場となりました。一方の山口は後ろの選手ら4人を変更。山田元気と安在和樹は第15節以来、菊地光将は第8節以来の先発となりました。


京都が攻め込む

序盤は京都が長めのパスを積極的に使いながら山口を押し込んでいました。

山口は中央に密集かつハイラインでコンパクトな守備陣形を取っていました。そのため、サイドや最終ラインの背後にはスペースがあり、京都は逆サイドのウイングバックやディフェンスラインの裏への長いボールを多用していました。特に京都の3バックはサイドへの正確なフィードを何本も供給。3バックの中央に入ったヨルディバイスはフィードに加え、自身でボールを持ち出すなど積極的な攻撃参加も見られました。

    攻撃スタッツ - ヨルディ バイス ヒートマップ - ヨルディ バイス

また、前線のピーターウタカや宮吉拓実は最終ラインの裏を狙う動きを何度も見せていました。15分には山口の最終ラインの背後へ抜け出したウタカにロングパスが通り、チャンスを迎えます。ウタカは相手に寄せられながらも横の宮吉にラストパス。決定的なチャンスでしたが、菊地がシュートブロックに入り得点とはなりませんでした。

    攻撃スタッツ - ピーター ウタカ ヒートマップ - ピーター ウタカ

    攻撃スタッツ - 宮吉 拓実 ヒートマップ - 宮吉 拓実

山口は広いスペースを狙われ続け、チャンスを作られてしまいました。しかし、最後の局面では体を張って守り、ゴールは許しませんでした。また、前節はサイドに展開された際の寄せの遅さが失点に繋がりましたが、今節は多くの場面で素早く寄せることができていました。ただ、何度か寄せが甘くなり相手に余裕を与えていたため、更なる改善は必要だと思います。


シュートストップ

攻め込む時間が多かった京都は、中央攻撃からもチャンスを作りました。

33分、ペナルティエリア内で縦パスを受けた宮吉がトラップで相手を剥がして左足でシュート。グラウンダーのシュートは枠を捉えましたが、山田が左手でセーブしゴールとはなりませんでした。

また、36分には中央でパスを繋ぐと、最後は谷内田哲平がペナルティエリア右からシュート。対峙したヘニキの股を抜きコースを突いたシュートでしたが、こちらも山田に止められてしまいました。

山口は30分台に2本のシュートをゴールに飛ばされましたが、どちらも山田がセーブ。2本ともコースを突いたシュートでしたが、山田がしっかりと止め切りました。山田は10試合以上ぶりの出場となりましたが、セービングやクロスへの対応など、安定したプレーを見せていました。ビルドアップの際にはコントロールミスから相手にボールを奪われる場面が一度ありましたが、それ以外はリスクの低いプレーを選択しており、ミスからピンチを招くことはほとんどありませんでした。

守備スタッツ - 山田 元気


山口加入後初ゴール

京都に押し込まれながらも得点を与えなかった山口は、41分にセットプレーから先制点を挙げました。

山口は敵陣左サイドでフリーキックを獲得。キッカーの池上がニアサイドに低めのボールを供給すると、菊地が難しい体勢からバックヘッドでボールの軌道を変えます。すると、これがキーパーの手の届かない絶妙なシュートとなり、ゴールネットを揺らしました。

フリーキックに対して京都はゾーンディフェンスで対応していました。菊地はやや後方から京都の選手たちの前に入りフリーでヘディング。池上からのボールはマイナス気味で難しいヘディングとなりましたが、菊地はしっかりとボールを捉えていました。最近の得点源であるセットプレーから菊地が山口加入後初ゴールを挙げ、チームは4試合ぶりに先制しました。

菊地は攻守ともに活躍。守備では15分の決定機を防ぐなど4度のブロックを記録しました。また、他の選手に指示を出したり、ディフェンスラインをコントロールしたりと守備陣を統率していました。

   攻撃スタッツ - 菊地 光将 守備スタッツ - 菊地 光将


安在の対応

セットプレーから先制し1点リードで折り返した山口は後半、さらに京都に押し込まれます。山口陣内でボールを持たれる時間が多く、ペナルティエリアへの進入を何度も許していました。ただ、山口の選手たちは集中力を保ち続け、決定的なチャンスは与えませんでした。56分にはウタカのスルーパスに反応した宮吉に決定機を作られそうになりましたが、サイドバックの安在が全力で戻って宮吉の前に体を入れシュートを打たせませんでした。

安在はパスが出る前にスピードを上げ、相手の前に体を入れることでピンチを防ぎました。また、53分には斜めの動きでパスを引き出した曽根田穣にしっかりとついていき前を向かせないようにするなど、相手の動きや危ない局面を察知してピンチの芽を摘んでいました。

    守備スタッツ - 安在 和樹 ヒートマップ - 安在 和樹


ウノゼロでの勝利

終盤、山口は回数こそ少ないもののカウンターを中心に京都ゴールに迫りました。73分には高井のクロスからイウリがヘディングシュート。しかし、キーパー清水の好セーブによりリードを広げることはできませんでした。

一方の京都はパワープレーを仕掛けるなど人数をかけて1点を取りにきました。ただ、山口は最後まで集中力を切らさず、粘り強く対応。ラスト15分は1本もシュートを打たせず、最後までゴールを割らせませんでした(参考:https://www.football-lab.jp/r-ya/report/?year=2020&month=10&date=18)。

試合は0-1で終了。試合を通して63回も30mラインに進入されるなど、押し込まれた展開となりましたが、最後の局面では自由にやらせずゴールは与えませんでした(参考:https://www.football-lab.jp/r-ya/report/?year=2020&month=10&date=18。山口は4試合ぶりの勝ち点3となり、アウェー4連戦の最後を勝利で飾りました。


総括

基本スタッツ

2試合続けて4失点を喫していた山口ですが、今節は無失点。久しぶりの先発となった山田・菊地・安在を中心にチーム全員でゴールを守り抜きました。得点が1点のみだったのは少し寂しい気もしますが、何より勝ち点3を掴めたことが非常に嬉しいです。


次節は10/21(水)、ホームで徳島ヴォルティスと対戦します。

強敵相手ですが、ぜひ連勝してほしいです。