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リーグ戦4試合勝ちなしと苦しい状況にあるサンフレッチェ広島

第12節では、アウェーでヴィッセル神戸と対戦しました。


スタメン

フォーメーション図  フォーメーション図

フォーメーションはお互いに4-4-2を採用。神戸はトーマスフェルマーレンがリーグ戦第5節以来の出場となりました。一方の広島は今津佑太が公式戦3試合ぶりに先発出場しました。


スタッツ

基本スタッツ

試合は3-0で神戸が勝利。神戸はシュート数や枠内シュート数でも広島の2倍以上を記録しており、内容・結果ともに広島を上回りました。

パス成功数やボール支配率はほぼ互角のデータとなっていますが、3-0となった以降に広島がボールを持てるようになっただけであり、勝負が決まった前半に関しては神戸の方がボールを支配していたと思います。

ゴール期待値

ゴール期待値でも神戸の圧勝となっています。神戸は前半だけで1.4以上のゴール期待値を積み上げて3得点。最終的にはほぼ2点分のゴール期待値を記録しました。

一方、広島のゴール期待値はわずか0.43。16分のジュニオールサントスのシュート以外はチャンスらしいチャンスをほとんど作れませんでした。


効果のないハイプレス

前半、広島の守備は全くと言っていいほど機能していませんでした。

序盤から広島はボランチやサイドバックが敵陣まで出てプレッシャーをかけており、7分の神戸のゴールキックでは青山敏弘が2トップよりも前へ出て、ボランチへのパスコースを切りながらキーパーにプレスをかけていました。ただ、ハイプレスで相手のボールを奪い取る場面は皆無。それどころか、ロングボールを蹴らせてマイボールとする回数も少なく、神戸を苦しめることが全くできていませんでした。

神戸のパスネットワーク図を見ると、キーパーの前川黛也の周囲に多方向の矢印が存在することが分かります。また、エリア間パス図を見ても自陣ペナルティエリア内に矢印の始点・終点が多く含まれていることが確認でき、前川がビルドアップに関わっていたことがデータで表れています。

パスソナー・パスネットワーク  エリア間パス図

広島のハイプレスに対して、ショートパスを繋いで前進するだけでなく、前川からの中距離パスで回避するという選択肢が神戸にはありました。特に、ハーフウェーラインやや手前のタッチライン際にポジションを取っていた、右サイドバックの山川哲史を逃げ道として多く使用していました。前川のパスソナーを見ても、右斜め前方向のパスが多く、平均パス距離も長めであることが分かります。

また、前川はパス39本のうち30本成功と、高いパス成功率を記録。広島は前川までプレスをかけても、中距離パスを通されて回避されることが続き、効果のないハイプレスとなっていました。

GKスタッツ - 前川 黛也   ヒートマップ - 前川 黛也


ガラ空きの中盤

さらに、古橋亨梧の2得点で広島のハイプレスは完全に崩壊してしまいました。

攻撃スタッツ - 古橋 亨梧   ヒートマップ - 古橋 亨梧

古橋は1点目では山口蛍からの浮き球のパスに抜け出し、2点目ではセルジサンペールからの絶妙なスルーパスに反応し得点。広島のセンターバックは古橋のスピード・背後への抜け出しに全くついていけませんでした。

この2得点によって、広島の最終ラインは背後への意識が相当強くなってしまいました。その結果、前の選手たちに連動することができなくなり、中盤との間に広大なスペースが発生。神戸のサイドハーフや2トップの片方にその空間でボールを持たれる機会が増えていきました。

先ほども述べたように、広島のボランチは序盤から積極的に前へ出てプレスをかけていましたが、ビルドアップを阻害できずに最終ラインと中盤の間を使われることが増加。逆にそのスペースを埋めようと下がると、山口やサンペールがフリーで前を向けるようになり、精度の高いパスを危険なエリアに通されるという負のスパイラルに陥っている状態でした。

守備スタッツ - 青山 敏弘  守備スタッツ - 川辺 駿

守備スタッツ - 今津 佑太  守備スタッツ - 荒木 隼人

広島のボランチとセンターバックの守備スタッツを比較すると、その差は一目瞭然です。青山敏弘のみ出場時間が少ないのであくまで参考ですが、ボランチの2選手はタックル1回とこぼれ球奪取1回のみ。クリアやブロックに至っては一度もありませんでした。

一方、センターバックの2選手は今津の警告以外は全て1回以上を記録。2人合わせてタックル数6回、クリア数5回、ブロック数7回、そしてこぼれ球奪取数は11回と、センターバックにかかる負担は非常に大きくなっていました。

ハイプレスが機能していないため、極端に言えば最終ラインだけで守るような状態となってしまっています。強みであった堅守を取り戻すためにも、システムや戦術の見直しが必須だと思います。


最後に

広島はこれでリーグ戦5試合勝ちなし。ついに勝利数と敗戦数が並んでしまいました。ボトムハーフに落ちないためにも、ここが正念場だと思います。なんとか希望の光を見つけたいものです。