R2.8.29 KO19:00

松本山雅 VS 徳島ヴォルティス


スタメン 松本山雅(H)

フォーメーション図




スタメン 徳島ヴォルティス(A)

フォーメーション図



試合開始前の話


徳島サポの私としてはまずスタメンを見た時点で一つ安心したことがある。


おっさん(橋内優也)がいないっ!

※ 本人はおっさんと呼ばれたくないらしいので以降は橋内選手と呼称。


実況の情報では再開幕節でケガした後、復帰して3戦目の前節で再びケガとのこと。

松本をずっと追いかけているわけではないので、松本サポからするとどういう立ち位置の選手なのかはわからないが、(少なくとも徳島サポの私は)他CBの年齢、移籍情報を見る限り、間違いなくDFリーダーだと思っている。

実際、成績を見る限り、いる試合といない試合では明らかに成績が悪い。


橋内選手がいる試合

計6試合 2勝2分2敗 (合計勝点8 勝率33% 平均勝点1.33)


橋内選手がいない試合

計10試合 1勝2分7敗 (合計勝点10 勝率10% 平均勝点0.4)


勝率も勝ち点も明らかに低い。

条件や試合数も違うので一概には言えないが、それでも参考にはなる。それを踏まえたうえで考えても橋内選手がいるのといないのとで3倍も違うとかちょっと目をそむけたくなるデータである。

松本サポに言わせるとほかの理由があるのかもしれないが、徳島サポの私にとってはそう見える。



試合内容について


さて、実際に試合が始まってみると、思ったよりDF”は”悪くないと感じた。

ただ、得点が入る時には守備面の課題がはっきりと見えてくる。

まず、最初の1点目が入ったシーン。

左サイドから駆け上がってきた西谷選手がPA左隅あたりにいた渡井選手(塚川選手、大野選手、森下選手に囲まれている)へパスを出す。

このパスへの対応を見て悟った。

攻撃スタッツ - 西谷 和希攻撃スタッツ - 渡井 理己



(あ、DFは守備ができるけど、どうもMFとの連携しての守備はあんまりよくないみたいだぞ)と。


さて、この西谷選手のパスに対して、カットできそうな位置には2名の選手がいた。

塚川選手、大野選手だ。

攻撃スタッツ - 塚川 孝輝攻撃スタッツ - 大野 佑哉


塚川選手が正直、一番パスカットの可能性を感じられる位置にいたがパスに反応せず。

大野選手は一瞬反応しかけるが、裏に西谷選手が走りこんでいたので、そちらについていくことを選択。

その結果、渡井選手に無事パスが通り、ワントラップで前を向く。

さて、この時点で渡井選手にプレッシャーをかけられる選手は2名存在する。

森下選手、米原選手の2名である

(立ち位置的には塚川選手もプレスをかけることはできるが、渡井選手の背後からになってしまうため、PKを献上する可能性を考えると選択肢から除外)

攻撃スタッツ - 森下 怜哉

攻撃スタッツ - 米原 秀亮









森下選手は渡井選手とゴールとの間に居り、なおかつ特にマークしている選手もいなかったので、プレスをかけに行く”義務”がある

(あえて義務という言葉を使ったがサッカーをDFとしてプレーしたことのある人ならこの気持ちはわかると思う)


なので、森下選手は渡井選手にプレスをかけに行く。

では、この時もう一人のプレスをかけれる選手、米原選手はどうしていたか。

ただ、立っていただけではあるが、これにも意味がある。

米原選手は垣田選手へのパスコースを消していたのだ。


攻撃スタッツ - 垣田 裕暉


垣田選手は今シーズン7ゴールを挙げている得点力のあるFW。

徳島サポとしては、苦しい時に何度もボールを”押し込んでくれた”パワーと決定力のあるFWである。

(まだ、プレーを見たことのない人は長崎戦や山形戦の得点を見てほしい。シュートコースなんてほぼ無いようなところから無理やり”押し込んだ”って言葉がふさわしい得点だから)

得点ランキングも上位に入っており、得点王も充分狙える位置にいる。

パスコースを消すことが最上級に優先されてもおかしくない選手であるのだ。

正直なところ、パスコースを消しながらプレスもかけに行くことも可能ではあるが、米原選手はそれを選択しなかった。それだけ、垣田選手へのパスコースを消すことが重要と考えたのだろう。ただ、それが致命的な判断となった。


ここで渡井選手はシュートを選択した。コースとしては森下選手と米原選手の間を通し、ゴールの右下を狙うものである。

このシュートがスペシャルなシュートであることは疑いの余地はない。

試合後のHP上のインタビューでは強いプレッシャーをかけられていなかったことを指摘したうえで、「転びながらですけどファーに転がすことは瞬間的にイメージできた」と語っている。

では、あれは得点を狙ったシュートであったのだろうか。それとも、キーパーが弾き、垣田選手に”押し込んでもらう”ことを狙ったシュートだったのだろうか。


断言しよう。あれは得点を狙ったシュートである。

なぜか? それは渡井選手がここまでに決めた4得点のうち3得点が針の穴を通すようなキーパーやDFの隙を突いたゴール隅へのシュートだからだ。


そう、垣田選手がボールを”押し込む”ような得点を取るのならば、渡井選手はボールをゴールへと”通す”ような得点を取るのだ。



閑話休題。垣田選手と渡井選手の話は置いといて、松本の守備の話に戻ろう。

さて、この渡井選手の得点のシーンにおいて、純粋な能力不足を除いたとき選択肢を変えた場合にボールを奪うことができる可能性のある選手は2名いた。

どちらもMFの塚川選手と米原選手である。


ついでに言うと米原選手は2点目のシーンも同様にPM付近から走りこんでくる岩尾選手を見ておらず、自分のタイミングでクロスに合わせようとしてヘディングを決められている。


そして、3点目のシーンは元徳島所属の杉本太郎選手が小西選手から垣田選手へのパスコースを消しきることができなかったことに起因している。

(常田選手は垣田選手にプレスをかけているし、大野選手は判断の遅さこそあれど、小西選手について行っているし、シュートブロックにスライディングまでしている。DFラインに判断ミスはないのだ)


そう、実は松本山雅のDFは失点のシーンにおいて判断ミスをしているわけではなく、守備時にMFがした判断ミスから失点しているのだ。


そういうところから考えると、松本にとって徳島というのはとても相性の悪いチームである。


徳島はMFがボールを回し、縦への動きからゴールに迫り、フィニッシャーはだれでも良いというチームである。得点にDFラインとマッチアップするFWが絡む必要のないチームなのだ。


対して相性のいいチームとはどういうチームか。

簡単にいうとFWが得点に絡まないと点を取れないチームである。今期でいうと京都(引分)、群馬(勝)、福岡(勝)、山形(未)等がFWへの依存度が高いチームである。

そういったチームは相手にした時に試合が有利に進むはずだ。






あれ、俺徳島サポなのになんでほぼ松本の記事書いてるの?