岐阜としては下位に沈む沼津に取りこぼすことなく勝利し連勝したい試合でしたがしかし、先制したのは沼津。前半11分。沼津の染矢選手に鮮やかなフリーキックを決められました。さらに、前半23分。GK桐畑が蹴ったボールに沼津渡邉が詰めてゴールに押し込まれ追加点を奪われます。この失点は完全に集中力の欠如でした。前節の愛媛戦で奪った3点目の逆をやられた感じです。桐畑本人もですし、近くにいた選手の声かけなど小さなことを怠った結果だと思います。また、この日の岐阜は全体的に選手の動きが重く、小さなトラップミスやパスミスが頻発しなかなか思うように相手ゴールまで攻められない状況が続きました。

原因は2つ。1つは早い時間での失点。これにより相手は「このままいけば勝てる」とチームとして目標ができ、チームとしての意志統一ができてしまいました。豪華な攻撃陣を誇る岐阜でも相手がある程度責めてスペースが生まれないことにはうまくチャンスが構築できません。

そして、もう一つの原因が沼津のハイプレスにより中盤にスペースを作れなかったこと。過去2試合、岐阜は比較的中盤に大きなフリーのスペースを作ることに成功し、そこを田中順也やヘニキ、庄司が自由に使えていた印象があります。しかし、この試合に関しては相手の前線からのプレスとコンパクトな守備陣形により中盤が非常に狭くなり、窮屈になってしまいました。そこに選手が密集する結果、パスのテンポや距離感が悪くなり相手にボールを奪われやすくなりました。

この状況を打開するためには最前線のンドカが相手DFラインと駆け引きしゴール前に押し込める必要があると思いますが、うまくいきませんでした。ンドカの駆け引きの未熟さが露呈した結果となりました。

ここで気になるのはそのことにベンチが気付いているのかということでしょう。前半でヘニキに代えて柏木を投入しましたが、ここはンドカに代えて窪田の方が良かった気がします。窪田を右サイド、右サイドの畑をトップに配置し、畑と窪田の二人で沼津のDFラインにプレッシャーを掛けることができれば中盤が間延びし岐阜として自由に使えるスペースが作れたのではないでしょうか。

また、柏木を投入したことにより庄司と2人を中央に置くとより中央の意識が高くなり沼津はより中央を固めればよくなり岐阜としては自分たちの首を絞める形となりました。もし柏木を使うなら、サイドに置いた方が相手としては嫌だったのではないでしょうか。相手がハイプレスできた場合でも焦ることなくプレスをいなしてプレスが薄いサイドから攻めるなど、臨機応変な大人のサッカーをできるようになる必要がると思います。特に沼津は前節サイドから失点を重ねていたので岐阜もシンプルにサイドからのクロスを増やしても良かった気がします。相手のハイプレスに対抗して中に中にと攻めてしまった点やそこを修正できなかった点は大いに反省すべきでしょう。

YS横浜戦でも同じでしたが、ゴール前を固める相手に対してパワーで押し込むなり、カウンターで仕留めるといった得点パターンの確立が急務だと思います。今の岐阜はコンビネーションで相手を崩してゴールを奪うのが主ですが、これだけでは劣勢の場合などでは不利です。無失点で試合を進め相手と我慢比べをして競り勝つのが三浦監督の基本的な考えかと思いますが、この試合のように思わぬ形での失点はサッカーではよくあることです。このような状況でも1点を狙ってとれるマネジメントはベンチとして持っておいてほしいところです。スタメン、ベンチ、起用方法など3試合を通して三浦監督の色が見えてきましたが、例えばビハインドの展開こそ岡村を起用してフレイレを前線に出すなど柔軟な起用を期待したいです。