基本スタッツゴール期待値

沼津さんは前節長野戦。開始からいつも通りボールを保持しようとする沼津さんに対し、長野さんは10分DFラインからパクスピンに出たパスをダイレクトに受けた三田選手の裏へのワンタッチパスに浮田選手が左足を振り抜き先制。27分にハンドの判定でPKを得るが、長野GK田尻選手にコースを読まれてしまった。

後半早々濱選手のクロスに持井選手が頭で合わせGKに弾かれた所を和田選手が押し込み同点。沼津さんは前半同様保持の時間が多くなるが、56分から出場した加藤弘堅選手がボランチに入ってからボール保持での落ち着き所ができ、61分パスカットした三田選手の裏へのパスに浮田選手が反応し飛び出したGKの先に触り勝ち越すと、69分にカウンターから右に流れた三田選手がポケットに進入しグラウンダーのクロスを浮田選手が押し込みハットトリック。

ボール保持率1位の沼津さんと最下位の長野さん。試合後高木監督が、沼津さんがフットボールをしっかりプレーしてくるという点が、我々長野のストロングポイントを引き出してくれる展開になっていた  

と語ったように、沼津さんのビルドアップと長野さんの積極的なプレスとカウンターという両者の特徴が表現された試合で、その上でゴール期待値とは逆の結果が出るというのがフットボールの面白さであり難しさである。長野さんの前3枚の守備への献身と攻撃時の一突きの強力さにこの日は軍配があがった。

エリア間パス図ボールロスト位置


攻撃スタッツ - 附木 雄也攻撃スタッツ - 菅井 拓也

攻撃スタッツ - 安在 達弥ヒートマップ - 安在 達弥

5-4の守備の長野さんに右SB安在選手がアンカー菅井選手と並ぶ3-2でのビルドアップは一見ハマりやすく見えるのだが、自陣でのボールロストが少ないのがDF陣の技術と中山監督がこれまで積み上げてきたものであり、さらなる自信が見られる。

攻撃スタッツ - 和田 育攻撃スタッツ - 沼田 航征

このチームの課題を挙げるとするならば、層という事になるだろう。GKとDFライン4人はこれまでリーグ戦7試合フルタイム出場。CB篠崎選手の復帰が待たれる所だ。

昨年はブラウンノア賢信選手のブレイクによる弊害と言わせてもらうが、終盤は彼への長いボールに頼ってしまった為にバランスを崩し勝ち点を伸ばせなかった印象がある。

2年目の和田選手は今季すべてスタメン。裏への飛び出しを武器に3点挙げている。サブには川又選手と今季加入の齋藤学選手というベテランが控えるが、あとはどれだけ若手が出場機会を得られるか。これまでホーム4戦4勝。上位進出の為には中山スタイルを表現できる人材のさらなる出現が求められる。