コロナ感染拡大の影響で2週間ぶりの試合となり、スタメンも大幅に変更されました。両チームとも勝って浮上のきっかけをつかみたい試合は富山が先制。前半34分、岐阜ゴール前でフリーの姫野に決められ先制点を許す形となりました。失点の場面以外はしっかり守れていただけに前節の嫌なイメージが蘇ったシーンでした。しかし、この試合の岐阜は追いかける展開になっても焦ることなくしっかりとパスを繋いでゲームを組み立てる姿勢が伺えました。

理由は2つ。1つは前節の反省が活かされていること。そしてもう1つが富山のプレスが沼津ほど厳しくなかったことが大きかったのではないでしょうか。攻撃の意図をしっかり持ち自分たちからしかけることができていたと思います。前半ATに舩津のクロスを山内寛史が頭で合わせて同点ゴールで試合を振り出しに戻して前半を折り返すことができました。後半頭から菊池に代えて今シーズン初出場の村田透馬を投入。右の窪田に加えて左からも積極的に仕掛ける意図が伺えました。勝ち越しゴールは後半早々の7分、右コーナーキックをまたもや山内寛史がヘディングで決めました。昨シーズンノーゴールに終わり今シーズンは右サイドバックでの出場が続いていた男が本職のポジションで結果を残してくれました。さらに後半15分。試合を決める3点目は左の透馬からのグラウンダーのクロスを右サイドの窪田が押し込みました。その後は選手のコンディションを考慮して庄司、窪田、柏木、宇賀神を下げて本田、石津、本石、小山を投入して試合をクローズしました。本田、小山は今シーズン初出場でしたが、本田はベテランらしく試合をコントロールしてくれました。リードして本田を投入しゲームを終える展開がどんどん増えれば優勝が見えてくると思います。

コロナ明けの試合で見事に逆転勝利を決めましたが、その要因はツートップにあったと思います。2人に共通している点はオフザボールの動きが秀逸だった点です。山内寛史は前線で絶えず相手DFと駆け引きしプレッシャーを与え続け、柏木はトップ下の位置で試合をコントロールしていました。ツートップが前線でタメを作れるのでサイドの選手も怖がらずに前への意識を持ち続けることができたのではないでしょうか。1点目と3点目の得点シーンを振り返ると得点に関わっているのはそれぞれ4人のみでした。ツートップの2人とサイドの2人。人数が多ければ分厚い攻撃ができるような印象を受けますが、多すぎると自分たちのスペースが狭くなり渋滞してしまうことが多々あると思います。沼津戦もそのようなシーンがあったと思います。前線の攻撃を整理できた点がこの試合の勝因だったと思います。

課題は先制点を取られたかと。逆転勝ちはテンションが上がるが、やはり安定して勝ち続けるためには先行逃げ切りが理想だと思います。具体的にはゴール前で相手にフリーキックを与えることは極力避けたい。厳しい要求だが、今シーズンのチームならやってくれると信じている。