前半戦最終戦となる栃木戦はスコアレスドロー。ザスパは勝ち点23で折り返しをむかえた。

年間勝ち点50を目標としているので、目標にあと一歩届かない結果となった。


今回はデータの変化に注目して、前半戦を俯瞰していく


基本スタッツ



まずは、ザスパの勝ち点の推移を図示する。5試合ごとの平均勝ち点は以下のようになる。

絶好調だったのは9-13節の間で、勝ち点は平均1.8だった。一方、最近は不調で平均勝ち点が1を下回っている。




では、なぜ最近は不調なのだろうか。

最近大きく変化したスタッツとして、相手のパス数があげられる(下図)。


シーズン序盤は800本近いパスをする相手もいたが、最近は600本を下回る相手が増えてきた。

相手がザスパの対策として、意図的にパスを減らしている考えられる。

リスクのあるパスを避けることで、ザスパの武器でショートカウンターを封じようと狙いがあるのではないか。


注:もちろん、序盤に山形や新潟といったパス主体のチームと戦った組み合わせの問題も考えられる





相手のパス数が減っているので、相手の支配率も減少傾向にある。

序盤は60%以上ボールを持たれていたが、最近はボール支配率ではイーブンなゲームが増えている。


リスクのある攻めをせずリトリートした相手から、何とか1点をとることが後半戦では求められるだろう。

ダイレクトプレーでの連携、ブロック外からの仕掛けの質を高めていきたい。




ザスパ側で大きな変動がみられるスタッツとしては、タックルとスローインがあげられる。

タックルが減少し、スローインが激増している。


タックルが減少は、相手が際どいパスをしなくなったために、タックルする機会が減少したと捉えられる。見る側からすると、球際の激しさが減ったように見えるかもしれないが、ザスパ側の変化ではなく相手側の変化と考えられる。


スローインの増加も、相手の変化が原因と考えられる。

増えたスローインを有効的な攻撃手段に変えることができたら、相手を混乱させることができるだろう。

スローインから派手にサイドチェンジをするといった、デザインプレーがあると面白いかもしれない。




以上、今回は大きく変化したスタッツに注目し、ザスパの前半を俯瞰した。

絶好のスタートダッシュをきったザスパだったが、最近は相手に対策されて攻めあぐねる様子が読み取れた。


相手がパスサッカーを捨ててまで対策するほど脅威に思ってくれるのはうれしいことだが、チームとして成長するためには相手の対策をさらに上回っていく必要がある。

後半戦のザスパがこの壁をどう乗り越えていくか、注目していきたい。