負けない強さに隠れる神戸の依存


基本スタッツ

パスの成功数・枠内シュートを見ると鹿島の方が優れており、ボール支配率もわずかではあるが鹿島が上回っている。

神戸はポゼッションを得意とする戦術をとっているためこの数字だけみると神戸は自分たちのサッカーができていないという風に考えることができる。

しかしスコアを見ればスコアレスドローで神戸はJリーグでは第4節の名古屋戦以来負けなしできている。

これは三浦監督がオフシーズンに取り組んできた組織的な守備のところがうまく機能していることが要因として挙げることができると考えられるが、もう1つの要因としては古橋選手の活躍がある。

攻撃スタッツ - 古橋 亨梧

上記のデータ見ると古橋選手のシュート数はチームのシュート数が11なのに対して、その半分以上の7を放っている。また、枠内シュートに至ってはチームのすべての枠内シュートを古橋選手が放っている。

このデータから神戸の攻撃はほとんど古橋選手で完結していることがわかる。

また注目してほしいデータは

走行距離・スプリント回数

走行距離・スプリント回数

これである。

このデータは両チームの全選手のスプリント回数をグラフにしたものであるが、古橋選手だけ両チームを通じて飛びぬけた数字を記録している。

このデータに加えて

ヒートマップ - 古橋 亨梧

このヒートマップを見ると古橋選手のスプリントは攻撃時だけではなく守備時にも使われていることが予想できる。

実際に試合の中においても古橋選手のプレスから神戸の攻撃が始まっている。さらにそれが一度だけでなく何度も見られる。

このようなことから古橋選手が神戸の好守に大きく貢献していることは言うまでもない。

しかし、神戸はリーグ戦ではここ7試合負けはないがこの試合で3試合連続ドローという成績にとどまっている。

この停滞を変えるためには古橋選手だけでなく新たなオプションが必要になってくる。今回の試合で初先発を飾ったマシカ・途中出場をしたリンコンなどの起用はそのような意図があったと考えられる。組織的な守備を現在強みにしている神戸にとってシーズン中に加入したこれらの選手たちには時間がかかる可能性が考えられるが神戸にとって彼らの攻撃能力は上位進出となるためいち早くチームへのフィットが求められるだろう。