1、前置き


 J1昇格は、プレーオフがない今季は、もはや無理とも言っても良い。今後も19ミッチェル・デュークが、離脱する期間があり、戦力がダウンする試合が有る事は間違いなく、勢いに乗れそうで乗り切れないという状態となるだろう。ただ、育成期限付き移籍で加入した48石毛 秀樹と、開幕当初のエースである9李 勇載が、怪我から戻って来た。この2選手を巧く起用する事ができれば、19ミッチェル・デューク不在でも勝ち点が伸ばせるかもしれない。

 何れにせよ、首位のチームと試合が出来るというのは、昇格が現実的な目標でなくなったチームとしては、士気が高まる特別な試合となる。コロナ下大観衆の前というのは、残念ながら実現しなかったが、この素晴らしいスタジアムで、岡山史に残る熱戦になると期待したい。


2、予想メンバー(磐田は前節のメンバー)



「磐田のメンバーへの考察」
・8大森の50遠藤の元G大阪の中央でのインテリジェンス溢れる構築。
・11ルキアンと元柏の4大津のブラジル式の仕掛け。
・後方の何処かゴルゴ感が感じる落ち着き。
・バランス感覚に優れるサイド。
・前方の勢いと中盤のバランス後方の安定感。


「岡山のメンバーのポイント」
・リザーブの最後の一枠は20川本か18斎藤か41徳元か。
・19ミッチェルや48石毛や31梅田の清水組(+20川本?)の奮起。
・元磐田の11宮崎が古巣相手にどれだけプレーできるか。
・9李と19ミッチェルの共存する時間はあるのか。
・展開によって3バックや新システムなど並びの変更があるかどうか。


3、通産対戦成績


前節までの対戦成績


「対磐田戦のイメージ」
・先制した試合もあったが地力の差を見せつけられた。
・基本的には磐田が主導権を握っている。
・善戦していても質の前に堅守を破られてきている。
・両チーム攻守で凄いプレーが生まれる傾向にある。
・1点差を争うゲームが多い。


4、得失点パターン


得失点パターン


「磐田の特徴」
・J1上位勢の主な得点源であるクロスからの得点が多い。
・J1中位勢の主な得点源であるセットプレーからの得点も多い。
・J1では少ないスルーパスやショートパスからの得点が多い。
・失点は幅が広いが苦手な形はなく安定感がある。
・ロングパスやドリブルなど個で負ける失点パターンは0。


得失点パターン


「岡山の特徴」
・伝統的に多いセットプレーでの得点。
・19ミッチェル加入で増えたクロスからの得点。
・継続性からショートパスからの得点力もついてきた。
・主要得点に対して安定した堅守。
・人数をかけて守るが押し込まれて失点する事が多い。


参考記事として、こちらのリンクも貼っておきますね。

2021ファジにデータでフォーカス(番外編4)「得失点パターンでJ1前半戦総括」は、こちら(同サイト記事)。

URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6824036175561363457


5、時間帯別得失点率


時間帯別得失点率


「磐田視点でのポイント」
・相手が落ち着いていない前後半開始時間での得点が多い。
・相手が疲れてきた時間帯での得点率が高い傾向にある。
・岡山は試合終了間際の失点が0-0で推移すれば磐田ペースか。
・岡山の失点率の倍の得点率の磐田でまさに縦と鉾の攻防。
・16-30分を除いては磐田の得点率が高く岡山の堅守を破れるか。


時間帯別得失点率


「岡山視点のポイント」
・磐田の苦手な前半での岡山が試合を動かす事ができるか。
・岡山の得点率と磐田の失点率は比較的近く形は作れそう。
・前後半の立ち上がりに隙のある磐田から得点を奪いに行くのか。
・普段通り守備から入り持久戦での1点差勝負に持ち込むのか。
・全体的に安定した磐田の90分の戦い対してどこで仕掛けるか。


6、プレビュー総括


 首位の磐田に対して、最高の状態で挑戦できる試合。そういった意味で、楽しみにしている岡山のサポーターは多い筈である。一方で、磐田側からすれば、負けなしのお得意様で、最低でも勝ち点1を獲得し、京都に少しでも差を付けるためにも勝ち点3を目指して岡山をホームに迎える試合。

 本来であれば、こういった終盤に差し掛かる段階で、昇格に関係した状態で、高い緊張感を持ってこの日を迎えたかったが、安定した守備に対して、厳しい得点力不足。守備を安定させるためとはいえ、もう少しなんとかならなかったのかという気持ちはあるが、エースであった9李 勇載の欠場が長く続いた事で、厳しいシーズンとなってしまっている。

 この試合では、9李 勇載が復帰して、チーム戦術を変える存在となった19ミッチェル・デュークを始め、多くの途中加入選手が加わり、格段に強くなったと言える岡山が、磐田に対して、どこまで戦えるかというのは、純粋に楽しみである。

 磐田サポーターが、今の岡山に対して、どういった認識で捉えているかは分からないが、CBの伊藤 洋輝の移籍の影響は決して小さくないとはいえ、しっかりチームとして更にバージョンアップさせることで、着実に勝ち点を積み重ねて、京都との優勝争いかという状態まで持っていきつつある。とはいえ、連敗すれば、下の押し上げや京都の独走を許しかねないなので、勝利しかないという試合である事には間違いないだろう。

 岡山としても気を抜けば、順位が毎回動く残留争いに巻き込まれる可能性もある。実際に後半戦スタート時に勝ち点で並んでいた金沢も残留争いに巻き込まれつつある。そう考えると、磐田は現段階でのJ2最強チームであるが、最後まで勝利を目指して挑む事となる。


矛が勝つか盾が勝つか注目の一戦は19時キックオフ!!


文章・図版=杉野 雅昭(text・plate=Masaaki Sugino)、図(データ)=SPORTERIA様


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URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6817288495082508289

2021ファジにデータでフォーカス(番外編1)2021 J2第13節 秋田 1-1 磐田 レビュー「両チームと対戦した岡山(第三者)視点でみる試合」は、こちら(同サイト記事)。

URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6798908147885936641

ファジにちょっとフォーカス1「2021 J2第6節 岡山 0-1 磐田 」は、こちら(同サイト記事)。

URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6784835768520019969