いよいよ振り返りも今シーズンはこれが最後となりました。

試合は選手たちが持てる力を出し切りホーム3連勝。そして3連勝フィニッシュとなりました。

このレビューも出し切りたいと思ったら大変なことに(笑)


まずは八戸のスタメンです。

フォーメーション図

予想通り上形選手を1トップに、トップ下には丸岡選手。ボランチに八戸で最後の試合になる前田選手を起用しました。元ガイナーレの小牧選手は右CBでの出場です。


対する鳥取は2連勝中ということもあり下図のように前節と同様のスタメンでした。

フォーメーション図

さて試合内容ですが試合開始15分はポッゼッション率は互角ですが両チームのパスワークに差がありました。

鳥取は9田口選手が真ん中に両サイドの14魚里選手、17妹尾選手も広がり適度な距離を保っています。

それに対し八戸は9上形選手が右サイドに寄り14前澤選手、13丸岡選手と重なっています。

左サイドも19島田選手と27丹羽選手が重なっています。

これによりパスワークに少し滞りがあったのではないかと考えます。

その流れから可児選手の折り返しのパスを田口選手が受けカットイン、田口選手が倒されPKを獲得します。PKは反応されるも田口選手が見事に決め先制します。


そして試合は後半へ、開始2分、7分と可児選手のコーナーキックから石川、鈴木選手がヘディングを決め追加点をあげます。得点の要因として八戸の後半開始時の交代があげられます。

下図左側はパス成功率をフォーメーションに当てはめ表にしたものです。上形選手、そしてボランチの2人を比べると新井山選手が低いのがわかります。ボランチからの前線の活性化を促すための交代と考えます。

そこでパスネットワーク図でわかる通り3バックを近石、赤松、相田の並びに、小牧選手を右SHにチェンジしました。しかしこのポジションチェンジによるマークのずれが起き、そこをついて得点できたのではないかと考えます。

下図がタイムラインです。

八戸がポッゼッション率で上回っていますが、シュート数は12対5と鳥取が多く打っています。

八戸はその後も交代しましたがボールは持てるものの上手くフィニッシュまで持っていく場面は多くありませんでした。

上形選手のこの試合でのスタッツです。パス10本、シュートが打てていない所に鳥取のDF陣の頑張りがわかります。古巣対決となった小牧選手もシュート1本、クロス3本に抑えました。

攻撃スタッツ - 上形 洋介攻撃スタッツ - 小牧 成亘

また左サイド丹羽選手もパス成功率65%、ヒートマップも前節と比べ大きく狭めました。

ヒートマップ - 丹羽 一陽

対する鳥取です。パス成功率は下図の通り両サイドが抑えられていますが、前線の田口、可児、石川選手の3人が70%以上と高確率で攻撃を組み立てていました。

この試合の中心は何と言っても可児選手です。

鳥取の3得点全部に関わっていました。2アシストのコーナーキックはフェルナンジーニョ選手直伝なのかな…と考えたりもしました。

ヒートマップも左側で大きくなっています。

攻撃スタッツ - 可児 壮隆ヒートマップ - 可児 壮隆

そして杉井選手です。タックル5/7とディフェンス力の向上が見られました。

守備スタッツ - 杉井 颯

2人ともチームを離れますが今後の活躍に期待します。


最終戦なのでチームの総括も、下図はフットボールラボから今シーズンのチャンスビルディング、スタッツそして各監督の平均です。

平均のみを取り出すと下図のようになります。

チャンスビルディングではシュートとゴールは向上しましたが攻撃、奪取、守備は低下しました。

これはなかなか監督交代後も失点が多く守備が安定しなかったのが原因と考えます。

特にカバーリングやビルドアップにたけた石井選手の離脱が大きかったです。

そしてスタッツです。

チャンスビルディングと同じくシュートが向上し、チャンス構築率、ボール支配率も向上しました。

ドリブルが向上し、クロスが減ったのは右サイドの安藤選手の負傷、そして代わりに出場した小田垣、妹尾選手のプレースタイルによるものと考えます。

来シーズンに向け守備力の向上が引き続きの課題だと思います。

そして来シーズンに向けてというと以下の図も…

これは過去4年間の昇格チームのその年と前年とのメンバーの比較です。

それによると前年から引き続いて在籍したメンバーの割合(継続率)が2チームを除いて50%前後になっています。その2チームも相模原と群馬であり、2チームのその年の終盤の昇格争いのバタツキを考えるとJ3リーグで1年通じて上位で戦う上では50%近い選手の継続率が必要と考えます。

鳥取を見てみるとJ3リーグ参入後が下図の表になります。

2年以上の選手は入団年によって色分けしてあります。(12/10現在)

継続率はJ3リーグ初年度が41.9%と低くその後は上昇し64.3%まで上がりました。

翌年は40.7%まで下がりその後は上下を繰り返しています。

来シーズンも上位を目指すために、多くの選手が引き続き鳥取でプレーするのを期待します。

今シーズンの終わりは来シーズンの始まり!!

頑張れガイナーレ!!来シーズンは18チーム!!抜け番なし!!。