2021 J3第4節 岩手 3-2 今治 レビュー　修業の身

首位となったが、会見で仰ってるよう過信はできない。この日のゴール期待値がゲームの内容を１番物語っているデータになるだろう。

風が強く吹いたスタジアム。コイントスに勝った今治さんが風上を先に選んだのは意外だった。前節スタメンのスピードのある平岡選手をベンチに残していたこと、ロングボールが多い岩手に先に風上を取らせるべきだったのではないか。

FW２枚が岩手の固いCBに対し起点を作るのは難しく、サイドに流れる形を取りSHとの連携、セットプレーの事を考えてスタメン起用となった駒野選手と島村選手の上がり、中に入ってくる山田選手のシュートもあったが、前半で先行する事はできなかったのは今治さんにとって痛かった。

今節は韓選手が調整中との事でブレンネル選手が１トップに入った。前半は右サイドに下りる形を取ったが、ハンチョル選手との競り合いで収める事ができなかった。後半は左に流れてキープはできたが、２失点目のきっかけになるなど、攻撃のキモとなる事ができなかった。パス数３８はなかなかの数字だが、クロス７本という数字は彼が入る事での特徴であり評価の分かれる所だ。

ポストに依存しすぎてボランチがフォローに行く所をひっくり返された事で２失点した。あれはDFラインを責められない。１得点目は昨年後半の崩しのパターンである。結果のでている今は流れを変える必要はないかもしれないが、今後上位を争うチームになるには、１トップの人選をどうするかという問題は避けられない。

こういう内容でも勝ち点３を取れた。前半のCKで二アのストーン前に合わせるデザインプレーをフリに使った事で、真ん中に構えるヨンチョル選手が二アに立ち位置を変えざるをえなかった事、４Qから出た色摩選手がキーパー前で競り合う（と書かなければならない）指示がでた事でカオスな空間を生み出し、逆転することができた。遺産の勝利である。

ベンチに控えるメンバーも、出ればいいアピールをしている。怪我人も少なくない。今月は東北のチームとのアウェイ戦２試合と天皇杯県決勝が控える。まだまだチームは進化の段階。攻撃陣のピースがハマると、いよいよ面白くなっていく。