2022 J2第1節 千葉 0-1 岩手 レビュー 開幕戦は1／42？

2022シーズンの開幕。明治安田生命Ｊ2リーグに初めて参戦する岩手にとって、最高のスタートを切る事ができた。ただし、両チームのＪ2リーグにおける設定目標と、事前情報に明らかな差があった事は記しておきたい。

ちばぎんカップでは柏相手にいい攻撃を見せていた千葉さんだったが、この日は櫻川選手の所でボールが収まらず、チャンスを作り出す事ができなかった。後半は鈴木大輔選手が攻撃時ＳＢ的な立ち位置を取り左サイドからの攻撃もあったが、１点が遠かった。岩手側の見方からすると、鈴木選手の問題ではなく、そのタスクを上手くこなせる選手を知っているだけに、いわぎんスタジアムではその雄姿を見れる事を期待している。

今シーズン初めて岩手の試合を見たが、Ｊ3でやってきた事を開幕戦でもしっかり表現できていた。新戦力もすんなり馴染んでいたが、千葉さんの守備切り替え時の激しいプレッシャーにもうろたえず、ボールを受け適切に捌いていく小松選手は素晴らしかった。ガチガチだったＪ3最終戦の比較とはなってしまうが、いい位置で受けられることで千葉さんは引かざるをえなくなり、チームに安定をもたらしてくれた。

歴史的ゴールを奪った宮市選手。2020年末の怪我から昨シーズンは終盤１試合の途中出場のみ。復活を期す開幕戦で、ゴールキックのターゲットというタフな役回りもこなしながら、90分プレーできた事は素晴らしかった。宮市選手の競り合いには、ブレンネルを右サイドに寄せる事で、千葉左ＤＦ鈴木選手を競り合いに出させない設計にしたチームのプランも相まって、試合通して56％の攻撃を右サイドから繰り出せた。

Ｊ3の優秀なＤＦを揃えた最終ラインも、櫻川選手に仕事をさせなかった甲斐選手をはじめ、素晴らしい出来だった。しかし、どんなにいい仕事をしても、たった１回前を向かれるといいシュートが飛んでくるＪ2リーグというものの厳しさも認識する事ができた。

この日のベストメンバーで勝利する事ができた。ベンチにはＪ出場試合０分が４人。眼前の景色は刺激になっただろう。しかし、お試しで出せるほど余裕のある試合はない。こういうご時世もあり、出られる選手の中で勝ち筋を見つけ戦っていくしかない。屈強な選手達もダメージを受け、いつなにが起こるかわからない。あっというまの長期戦。まだ始まったばかりである。