衝撃的なスコアになった。しかし、試合終了後の厳しい表情と、記者会見の苦しかったという松原監督の第一声は正直な所だろう。

基本スタッツゴール期待値

試合は6分に動いた。後方からのフィードにドドが競り合ってCKを得て、愛媛さんがゴールエリアラインに敷いたゾーン守備のDFが競れない所に蹴った新保選手のキックに、マークを剥がした宮市選手がフリーでヘディング。2年連続の開幕節ゴールとなった。

愛媛さんは、石丸監督の掲げるノンストップフットボールのもと、岩手が後方からビルドアップする際には、左右に開いたCBに対してSHが出てきて積極的に奪いに行く姿勢を見せたが、そこで岩手は無理には繋がず右SH宮市選手へのフィードを選択。1点目のCKを得たシーンのドドと共に、ここでの制空権を握れた事で愛媛さんのプレスの逃げ道を作り、ここから左サイドへ展開していく流れで2点目をゲット。

岩手が開幕までの1週間で頼ったのは前体制の遺産だった。そこにアドリブではなく、しっかり攻撃プランを施したのは松原監督の手腕と言える。

パスソナー・パスネットワークボールロスト位置

岩手は守備時1-4-4-2、和田とドドが並びファーストラインを作り、愛媛さんの攻撃時にアンカー気味になる深澤選手へのパスコースを切りながら、CBを監視する形。早々に先行した事で待ち構える展開がベースとなった。

しかし、松原監督が求める激しさ厳しさはしっかり体現。30分の岩手CKをキャッチされてスローされたボールに2人が全速力で止めにいったり、41分のシュートブロックからのカウンターに対し、左SB新保選手が持ち場を捨てて右サイドまでスプリントしたシーン、また5点目のFKを得るきっかけとなった、愛媛陣内で失ったボールの即時奪回のシーンなど、その点はチームに浸透しているようだ。

GKスタッツ - 丹野 研太ヒートマップ - 丹野 研太

開幕戦でこういうプランできた事は、GK丹野選手の存在が大きい。キックの技術の正確さで、繋ぐ所と右サイドへのフィードを蹴り分け、愛媛さんのプレスに迷いを生じさせた。失点シーンは味方のクリアミスがありどうしようもなかったが、安定感は抜群。

松原監督が掲げる、攻守において主導権を握るサッカーにおいて、後方からのビルドアップは今シーズン通しての課題となる。宮市選手が交代してからは、攻撃のリズムをつかめなかった所が現状である。後ろの安定が、勝利に向けた前提となる。

攻撃スタッツ - 新保 海鈴攻撃スタッツ - 桐 蒼太

全てのゴールに絡んだ新保選手の左足。セットプレーにおいても脅威となった。桐選手のゴール後のハンドシェイクも含め、左サイドでの連携はよさそうだ。桐選手はシーズン前のトレーニングでは、右サイドに入りカットインのキレ味を見せていたが、メンバー構成やこの日の出来を見ると、左サイドのファーストチョイスになりうる。

松原監督の初陣は、カラーは出せたが、色濃くという所までいっていないという印象だ。相手を圧倒する為に、どのようなチームを作っていくか、見てみる事としよう。