こんにちは、ユースケ@サガン鳥栖です。

我慢比べの一戦でしたね。似たようなコンセプトの両チームが激突した試合でしたが、一つのミスが命取りになるような緊張感のあるゲームでした。私がGW中もずっと仕事で忙しく、すっかりレビューが遅くなってしまったので、詳しい分析は他の戦術ブロガーさんの記事を見て頂くとして、今回は気になった点だけ短めにお伝えしていこうかと思います。

それではレビュー行ってみましょう!

まずはスタメンです。

フォーメーション図フォーメーション図

鳥栖はほぼベストメンバーと言える陣容。酒井がベンチに入っていませんでしたが、前節前半のみで交代したこともあり少し痛んでるのかなと思います。対して前節5失点の徳島。スタメンを5人変えて臨んできました。鹿島戦から指揮を取り始めたポヤトス監督ですが、毎試合メンバーもまだまだ流動的ですし、これから徐々に固まっていくのかなという印象です。

■鳥栖が前半上手く行かなかった理由

画像は徳島の立ち上がり6分のビルドアップ例ですが、CBの福岡、石井、左SBの田向の3人がビルドアップ隊。アンカーの鈴木は常に鳥栖のツートップにコースが切られているので、岩尾が自由に動きリンクマンの仕事をします。さらにここにGKの上福元も絡めて逃げ場にしながらボールを握ります。

黒丸で囲ったようなスペースを狙って岩尾が自由に動くので、彼を捕まえられてない時には前からプレスに行けません。行っても岩尾が受けちゃいますからね。上手く岩尾を捕まえて前から行ったとしても結局はGKに戻され無力化されてしまうので、中々積極的にはいけませんでしたね。

これ実は鳥栖がいつもやっていることです。岩尾の仕事を仙頭が、GKの上福元の仕事はパギが。すごく似てますよね。普段鳥栖がいかに相手がハメにくいサッカーをしているかという事が良くわかります。

徳島は前節柏戦では後ろからの繋ぎにかなり拘っていた印象でしたが、この試合は後ろで繋ぎながら鳥栖を引き出して隙あらばロングボールでワントップの宮代を使い裏のスペースを突いてきました。これをやられる度にラインを下げさせられてしまうので、これも前から行きづらくなった原因の一つです。鳥栖が柏戦や名古屋戦で見せたロングボールの活用術と同じですね。

さらに鳥栖と似ているのは、徳島も両サイドの15番右SBの岸本と33番藤原が大きく開き幅を取ってきます。これで鳥栖の選手配置を左右に広げてくるので中央の岩尾に自由に動けるスペースが生まれます。

普段の鳥栖の前からの守備は、どちらかのサイドに追い込んで数的優位を作り奪うやり方なので、それを徳島が前述の方法で上手く回避してきました。岩尾、上福元、ロングボールと3通りの逃げ道があるので、鳥栖は中々サイドに追い込むことができません。ですので前から積極的に追う事を自重し最低限中央を閉めることを意識してステイすることにしました。

鳥栖が前半上手く行かなかったのはザックリいうとこんな感じです。いつものサッカーをさせてもらえなかった前半でしたが、まあ、これはポヤトス監督の罠なので自重して正解だったと思います。

試合中もツイートしましたが、この前半終了時の私の印象としては、上手くいってなかったのは事実ですが悲観するような状況でもなく、このまま焦れずに我慢を続けていれば後半絶対チャンスは来るはず。そこを決めきれるかが重要だなと。パギが試合後コメントで言っていた「持たせている」のと同じ感覚で見てました。

■中野くんの立ち位置

後半からはっきりと4-4-2に変更した鳥栖。林、山下、樋口に加え仙頭もやや前に出して岩尾の動きも牽制しながら4人でビルドアップを阻害しに行きます。

ここで重要だったのが中野くんの立ち位置。仙頭が前に出るので当然松岡の脇にスペースが出来てしまうのですが、ここを狙って7番の右SH小西が内側に入って受けようします。そこで小西をマークすべく中野くんも絞って付いていきケアします。東京戦でもこんな動きしてました。

画像は先制点の直前、ボールを奪った場面ですが、中野くんが小西にしっかり付いていってるので距離感が良く、岩尾からの縦パスに対しすぐさま寄せに行くことができます。そこへ仙頭がプレスバック、さらに松岡も寄せて3人で囲み奪いに行きます。で、奪ってからすぐさま樋口に展開。山下へ渡ってゴールとなりました。

岩尾の縦パスの選択自体は意外性もあって悪くはなかったと思いますが、中央だけは絶対にやらせないという意思が強く見える鳥栖のプレス網にかかってしまいましたね。このシーン、松岡は直前まで38番のバトッキオに付いてましたが、林がちゃんとバトッキオへのパスコースを消して限定しているので積極的に小西に寄せていけました。

このあたりの前線と中盤の連携は素晴らしいですね。この試合でいうと、林、山下、樋口はコース限定部隊で仙頭、松岡、中野がボール奪取部隊といった感じで役割が明確化されていて共通認識もしっかりできてます。

両サイドは小屋松と飯野が蓋をしてますし、ロングボールに対する空中戦や裏のボールにはソッコ、エドゥ、パギがしっかり対応します。ピッチ上の11人全員が狙いを共有できているので、選手間の距離も良く全てが連動していますね。逆に言うとメンバーが変わると途端にこれが出来なくなるので、ルヴァン杯では大苦戦してしまうと言うわけです。

【まとめ】我慢比べに持ち込み一瞬の隙を見逃さなかった

普段はツートップでサイドに追い込んでそこを奪いどころに設定することが多いですが、徳島がGKも絡めながらビルドアップしてくるので、ツートップがどちらかのサイドに誘導しようとしても結局GKに戻されてリセットされてしまいます。それでも続けてしまうとツートップが激しく消耗してしまうので、この試合ではそこまで追わずステイして我慢比べをしました。

先制点のシーンではそういう膠着状態に業を煮やした岩尾が変化をつけるために中央へ縦パスをしたことがきっかけになりました。前述した通りこれ自体は狙いとしては悪くないと思うのですが、それを上回る鳥栖の中央を閉める意識でボールを奪いました。

この岩尾の判断を「隙」といっていいかはわかりませんが、このたったワンプレーが試合を決めたと言えます。まさしくミスしたほうが負けという緊張感ある試合のターニングポイントでしたね。

いかがでしたでしょうか?

今回はレビューが遅くなったこともあり気になった点のみお伝えしました。中野くんの松岡脇のケアが小西が狙っていたから付いていっただけなのか、通常時でもカウンター対策としてリスクヘッジのためにスペースを埋めているのか、ちょっとまだわかりません。

この点、東京戦からずっと気になっているのですが、DAZNの映像では確認しきれないので明日の広島戦、現地に行ってチェックしたいと思ってます。

それではまた。