前節ホーム清水戦から中3 日で迎えるアウェイ福岡戦。昨年3 月の第5 節アウェイ戦では関川が足裏タックルの判定で一発レッドカード、古巣対戦となった金森の決勝ゴールで0-1、9 月の第25 節ホーム戦では直前のルヴァンカッププライムステージ敗退のショックを引きずったことと福岡の鹿島対策に成す術なく0-3 と非常に嫌な印象を持っている相手である。
上位争いに留まるためにもリーグ戦ここまで4 連勝の流れを途切れさせないことが重要な一戦である。
メンバー
ディエゴ・ピトゥカが前節退場による出場停止のためボランチの一角に和泉が入り、2 列目はファン・アラーノとアルトゥール・カイキの組み合わせとなった。メンバー構成から、中盤は樋口アンカーのダイヤモンド型かとも思われたが、図のとおりボックス型としていたようだ。攻撃時には流れでボランチのどちらかが前目に入る縦関係のような形もみられたが、基本はボックス型なのだろうと思う。
福岡の杉本、奈良はともに過去に鹿島に在籍経験があり、古巣対戦となった。特に杉本は高卒で鹿島に入団し、主力の座を奪うまでには至らなかったもののある程度期待できるプレーを見せており、その後は松本山雅所属時代の対戦では鹿島にとって脅威となり、前述の昨年ホーム対戦時には鹿島を圧倒するクオリティを発揮する等、注意すべき選手のひとりである。
所感
福岡は最前線のファンマのポストプレー、両SH 特にRSH ジョルディ・クルークスのプレスからチャンスを構築していたため、鹿島LSB 安西は試合通じて守備に追われる時間が長かった印象。
逆に鹿島は福岡のサイドが高い位置を取った裏を狙った攻撃が形になっていた場面が見られた。今年の鹿島によく見られる2 トップへのロングボールからセカンドボール回収は今節ではあまり成功率が高いようには見えなかった。中盤のメンバー構成が変わったことによる成熟度の違いもあるかもしれない。鹿島の2 トップはハイボールの競り合いには強さを持っていると思うが、いわゆるポストプレーヤーでないことはファンマと対比することで一層わかりやすく見てとれた。
後半から福岡はファンマに代えてルキアン、杉本に代えて田中を投入。ファンマは前半の競り合いで苛立つところもありイエローカードをもらってしまったことも要因かもしれない。杉本は良さを発揮しきれなかった印象。
代わりに入った田中のドリブル突破に鹿島は苦しめられた(個人的な予想としては杉本にこれをやられるかなと思っていた)。決定的な場面も作られたが、RSB 常本の対人守備力もあってなんとか耐えたというところか。
決定機自体は鹿島も何度か作っていたが、なかなかゴールを奪えずにいた中、70 分に後方で樋口 -> 中盤の和泉 -> 前線の上田に縦パスをつなぎ、上田がペナルティエリア手前やや右からノーステップで強烈なミドルシュートを決める。上田のシュートが素晴らしいのはもちろんのこと、ボールが来る前からDF と駆け引きをする動き、上田にパスを出したあとリターンをもらう動きで相手を引き連れた和泉の動き、さらには和泉にパスを出したあとに右サイドを駆け上がって和泉のマーカーを外した樋口の動き、一連の全てが素晴らしいゴールであった。
良い形でボールを受けるために動く、パスを出したら動く、サッカーの攻撃の基本が詰まった良い得点だったと思う。
試合終了直前にはセットプレーの流れから金森が上げたクロスボールが直接ゴールに向かいあわや同点、という場面もあったが、クォン・スンテの好守備で1-0 勝利となった。
これで5 連勝。7 節を終えて6 勝1 敗の勝ち点18。シーズン序盤にこれだけ良い状況なのはいつぶりなのかというくらいだが、次節は中3 日で横浜F、次々節は一週間空いて名古屋と気を抜けない試合が続いていく。厳しい戦いを乗り切っていってほしい。
リンク
データ
- SPORTERIA: https://sporteria.jp/data/2022040605
- Football Lab: https://www.football-lab.jp/kasm/report/?year=2022&month=04&date=06
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