整えられた4-4-2と試合展開



代表ウィーク明け、残留を確実にするために負けられない清水との対戦。柏は前節と同様の4バックに中盤中央にヒシャルジソン、神谷とマテウスサヴィオを左右に配置する布陣を取った。

フォーメーション図基本スタッツ

柏は清水と同システムの4-4-2でしっかり構え、2試合続いていた早い時間帯での失点を回避、ホームの清水にボールを持たせてカウンターを狙う展開となった。パス成功数は、過去3試合から最も少ない数値 346(対広島) →401(対G大阪)→ 338(対仙台)→ 283(対清水)、パスソナー・パスネットワークのボールの動きから、ボールを奪い少ない手数で左右より前にボールを運ぶ狙いだったのが仙台戦と比較してもわかる。ボール奪取後にクリスティアーノまでたどり着けば大きなチャンスとなったが、中盤のパスが引っかかる場面、単純なロングボールが跳ね返される場面も目立った。

<パスソナー・パスネットワーク 清水戦 _ 仙台戦>

パスソナー・パスネットワーク パスソナー・パスネットワーク

53分柏スローインから相手チェックを受けたボールを大南が拾い中央にドリブル、左サイドから中央に位置取りした神谷へパスを通した。ここ2戦で得点している神谷に清水DF3人が警戒の動きを見せると神谷が空けた大外のスペースから三丸がペナルティエリアまで走る。神谷から武藤、武藤からエリア内に丁寧に送られたパスを三丸がダイレクトで蹴りこみ4試合ぶりの先制点を奪取。右サイドから中央、左のハーフスペース、左のポケットへボールを送りダイナミックに決めたゴールはボールの動かし方も見事だった。

以降は清水が攻勢を強め、右からのクロスボールとFK、左サイドから片山のロングスローが送り込まれる。清水のエリア間パス図、ボールロスト位置からも柏陣内の深い位置まで清水がボールを送っていたことがわかるが、柏はこの試合で最も多いクリア数を記録したエメルソンサントスを中心にこのボールを跳ね返し、最後まで耐え抜いたことで勝利を手にした。

<清水 エリア間パス図‗ボールロスト位置>

エリア間パス図ボールロスト位置

守備スタッツ - エメルソン サントス

後半開始直後の西澤、終盤のベンジャミンコロリの決定機を逃した清水に助けられた面はあるが、柏は中断期間4-4-2にシステムを固定しバランスを整えてきたことが伺えた。また時間経過、試合展開にマッチした選手交代も勝利の大きな要因となった。リーグ終盤に向けエメルソンサントス、ヒシャルジソン、クリスティアーノのブラジル人トリオでセンターラインを固めたように見える。センターを整えた上で、攻撃では中盤から前線へのつなぎとセットプレーでの得点、守備ではボールにチャレンジした後のバランスの取り方(特にサントスがボールにいった後)が改善できるかに注目したい。


過去のJ1リーグ中断期間『上がるチーム』『下がるチーム』