水曜の天皇杯で浦和を倒し、歓喜の渦に包まれたザスパ。今節は天皇杯で活躍した勢いのあるメンバーをスタメンで起用し徳島に挑むも、0-1で敗戦するかたちとなった。

今回は失点シーンが復習不足だった点と、メンバー変更しても戦術理解が統一されていた点に触れていく。


基本スタッツ


渡井理己のダイアゴナルランと復習不足


失点シーンは、失点部分だけを切り取ると単純なクロスからの失点にみえる。ただ、過程をみると4節の東京V戦の失点と類似していることがわかる。

参考:3度ネットを揺らすも幻に…ゴールまでのあと1歩を埋めるのは誰か!?【2022 J2第4節 群馬 0-1 東京V レビュー】 | SPORTERIA


今回の失点は、以下のような流れで生まれた。

①群馬がカウンターを狙うが失敗。GKからのパスを渡井が中央で受ける。

②渡井は左サイドバックの西野にパスすると、斜めに走りワイドに開く

③西野は中央に切り込む、小島が対応する。渡井が完全にフリーになる。

④西野→児玉からフリーの渡井にパスが渡る。小島は急いで戻るも、渡井がクロスをあげ、バケンガがヘディングで得点。


そしてこの失点は、以下の点で東京V戦の失点と似ている。

・試合後半で運動量や距離感に乱れがでる時間帯(東京V:80分、徳島:77分)

・インサードハーフ(山本理仁・渡井理己)が脅威のスプリントでワイドに走る

・サイドバックが剥がされる(東京Vはバスケスバイロンが剥がす、渡井は西野との連携で剥がす)

・サイドのカバーに行ける選手がおらず、フリーでボールを受ける。


攻撃スタッツ - 渡井 理己


東京Vの時とはサイドの左右が違うので、4節の失点を直接経験した選手はいなかった。ただ、チーム全体で復習できていれば、渡井にイージーなクロスをあげさせずに済んだはずだ。

同じかたちの失点をしてしまうと、今後の相手もそれを狙ってくる可能性が高くなってしまう。

過去の失点にたいする復習を徹底してほしいと感じたシーンだった。


ワイドに走ったインサイドの選手にたいして。どうするのか?

・CBがマークにつく(ただし、CBを釣られると、空中戦に弱くなる)

・ボランチがマンマークでついていく(ただし、中央で数的不利が生まれる可能性がある)

・サイドバックが相手の中への動きについていかず、ワイドにどっしり構える(同上)

と、考えられる動きはいくつかある。

何が最適解かは難しいが(もしかしたら渡井をフリーで放置するのが正解かもしれない)、しっかりとチームとして復習をして、同じかたちの失点を繰り返さないようにしてもらいたい。



スタメン5人変更


続いて、スタメン変更の話だ。

今節は天皇杯で活躍したメンバーを中心に、スタメンを5人を変更した。

久しぶりの出場となった白石や久保田、リーグ戦は今季初出場となった岡本や高橋など、今までとは違う選手起用が目立った。


その中でも、徳島の期待得点は約1点と、組織的な守備を継続することができた。前半はビルドアップでチャンスを作る場面もあり、出場機会が少ない選手も戦術理解が統一されているというポジティブな点も見て取れた。


これから選手間の競争が激しくなり、チームの刺激になることを期待したい。


攻撃スタッツ - 白石 智之攻撃スタッツ - 久保田 和音

攻撃スタッツ - 岡本 一真攻撃スタッツ - 高橋 勇利也


まとめ


今日は悔しい結果となったが、復習不足という課題が見つかり、選手間の競争と戦術理解の統一を両立できているという好材料もあった。

順位も19位に下がり、焦りを覚えるファン・サポーターもいるとは思うが、こういう時だからこそ継続してできていることと改善点を整理すべきと考えている。

ひとりのサポーターとして、少しずつ少しずつだが経験を積み上げて強くなっていくチームを見守っていきたい。