この試合のレビューをするわけではありません。

先日【「ボール支配率」の巻】https://sporteria.jp/blog/yagoto-10/6713248015009714177において、神戸のボール支配率に関してレビューしましたが、追記したいことがありますので追記させていただきます。


先日【「ボール支配率」の巻】で9月9日までに行われたJ1リーグチーム別の平均ボール支配率は下記の通りであるとレビューした。

神戸は横浜FMについでボール支配率が高い。これはあくまで平均であるため、もう少し、ほんのちょっとだけ掘り下げて分析してみる。新聞等のメディアで「神戸のバルサ化」という記事を読んだことがある。本当にバルサ化したのだろうか?興味もあるが疑問もある。

これ以降は、9月26日までに開催された試合のデータを使用した。


神戸の勝点別の平均ボール支配率は下記グラフの通りである。

全試合の平均ボール支配率は高いが、勝点別に集計し直すと意外な結果になる。勝点3の平均は50.8%、勝点1は57.9%、勝点0は62.6%である。負けた試合よりも勝った試合の方がボール支配率は低い。


こちらはボール支配率別(40%~50%未満、50%から60%未満、60%以上)、勝点別の試合数を集計したグラフである。

これを見ると、ボール支配率が60%を超えた試合数が多いことが分かる。その一方でボール支配率60%を超えた試合の勝率は低いことも分かる。ボール支配率が40%~50%の試合は4試合と少ないが、その内3試合には勝利し、残り1試合も引き分けており負け試合はない。神戸の平均ボール支配率は高いが、どうやら支配率が高いほど負け試合が多く、ボール支配率が低い方が勝ち試合が多いようである。2つのグラフを見ると、神戸のボール支配は上手くいっていないように見える。


次にボール支配率60%以上の試合の中で負け試合を抜き出すと下記表の通りになる。

対象は5試合。このままではよく分からないため、視点を相手チームに移す。相手チームにおける勝ち試合の平均ボール支配率は下記の通りである。

各チームの勝ち試合におけるボール支配率は低い。この5チームはボールを保持しないという戦略をとっているのだろう。ということは神戸のボール支配率の高さは、相手チームのボール支配率の低さが原因、相手の戦術にはまっているといえる。要は「ボールを持たされているのではないか」と推測できる。


次に2020シーズンにおける神戸の平均ボール支配率推移のグラフである。

これは、1節は1節だけのボール支配率、2節は1~2節の平均、3節は1~3節の平均、10節は1~10節の平均、19節は1~19節の平均を表している。変形の移動平均といってよいだろう。注意しなければいけないのは、節の順番ではなく、開催された日付順で並べてあることだ。そのため途中で24節や25節が入ってきている。このグラフを見ると平均ボール支配率が右肩下がりだということがわかる。開幕当初66%に迫るボール支配であったが、試合を消化するごとにボール支配率が下がっている。相手チームの神戸対策が上手くいっているのではないか。また監督交代などあり、チームが一丸となっていないということも影響しているのではないかと思う。そのため試合を消化するごとにボール支配率が下がるのだろう。


次はシーズン別勝点別の平均ボール支配率である。

勝点3のボール支配率は2019シーズンの方が約5ポイント高い。勝点0のボール支配率は2019シーズンの方が約3ポイント低い。ボール支配率で言えば、2019シーズンの方が上手くいっていたのではないか。神戸対策が進み2020シーズンのボール支配率が効率的ではなくなっているように見える。


次は勝点別のパス本数。

パス本数とボール支配率は先行研究から正の非常に強い相関を示すことが多い。これに漏れず神戸のパス本数も同様である。勝点3の場合、ボール支配率が低いためパス本数が少ない。勝点0の場合、ボール支配率が高いためパス本数が多い。


次は勝点別の総走行距離。

勝点3の場合の総走行距離が最も長い。勝ち試合では選手の移動距離が長いのだ。パス本数と総走行距離を比べると、勝ち試合ではパス本数が少なくて総走行距離が長い。なんかバルサのイメージとは違う気がする。


次は勝点別のスプリント回数。

総走行距離ほど明確ではないが、勝点0よりも勝点3の方がスプリント回数が多い。総走行距離とあわせると、勝ち試合ではよく走る。ボールよりも選手が走っている。やはりバルサではない気がする。


まとめ

神戸=バルサと筆者が勝手にイメージしている前提で、「神戸のボール支配率は高いが、上手くいっていない」と思う。




いつもながら、分析に使用するデータはFootball LABさんから拝借しました。https://www.football-lab.jp/