前々節はアウェイで広島に成す術なく0-3 で敗戦し、どうなることかと思われた前節はホームで札幌に4-1 で快勝、札幌戦から中3 日となったルヴァンカップグループステージ第6 節アウェイG 大阪戦はグループステージ突破を決めていたこともあり、メンバーを大幅にターンオーバして3-1 の勝利。
チームの雰囲気としては良い状態で迎えられた一戦ではあり、連戦の中でミッドウィークに主力が休養できたことも良い材料。
浦和は引き分けが続いているものの、前節ではホームでF マリノスに前半だけで0-3 だった試合を引き分けに持ち込む激闘を見せ、チームの雰囲気は登り調子であると思われるため、鹿島としては最大限に警戒して臨みたい一戦。
今節はテレビ埼玉観戦。
メンバー
鹿島はスターティングメンバーは固定されており、前節から変更なし。ミッドウィークにターンオーバーしたことからコンディション的には問題ないと思われる。
浦和の3CB は鹿島対策と思われる。第12 節広島戦、第9 節名古屋戦では攻撃が封じられてともに無得点に終わっており、苦しめられた形である。第13 節の札幌、第11 節の磐田 は3CB の強度が少し不足していたこととビルドアップに偏重している相手にハイプレスが効果を発揮して中盤で良い形で奪ってのラインブレイクができ、前半に複数得点を取り切れて試合を優位に進めることができていた。
この試合は鹿島対策の3CB にどう対抗できるのかが注目される。
所感
試合の立ち上がりは、浦和のビルドアップに対してハイプレスからボールを効果的に奪うことができ、3CB に対してもピトゥカやカイキが最前線近くまでポジションを上げるシーンを作って2TOP+1 のような局面を作っているように見えた。もしかしたらチームとして用意した「鹿島対策」対策なのかもしれない。
序盤の6 分、LSH のような位置をとった鈴木が右サイドにフィード、和泉が上田に素早く入れたボールを上田がシュート、GK に弾かれたところをカイキが押し込んで先制。鈴木がフリーマンのような動きで組み立てに参加するところ、和泉の技術と判断、上田のシュート力、サイドハーフ起点の攻撃に逆側サイドハーフがゴール前に侵入してくる形、と鹿島の攻撃局面での各ポジションでのタスクがいずれも良い形で出てゴールを取り切った。
前半15-20 分あたりからか、浦和もビルドアップを修正したのか、鹿島のハイプレスをかいくぐられる場面が増えてきた印象を受けた。浦和DF 明本の試合後コメントにもビルドアップの修正が言及されていた。
ただ、浦和はビルドアップの修正は見られたものの、前線に良い形で入れられる回数はあまり多くなかった印象を受けた。これは浦和の前節 vs 横浜F 戦をTV 観戦していた時にも感じたところである。前線であとひとつのチャレンジを持ったパス・シュートを選択できない場面が多いように見え、攻撃の迫力や怖さが不足しているような印象を受けてしまった。
このまま無失点で前半を終えられればと思った矢先、44 分に鹿島RSB の裏を取った明本のクロスをペナルティエリア内でブロックしようとスライディングした関川の腕に当たり、PK となってしまう。ショルツに決められて同点で後半を迎えることとなった。
後半、鹿島は後方から2TOP へのロングボールよりも下からつないでいくことを第一選択肢と変更したように見受けられた。前半の半ば以降頃から3CB に対して2TOP+1 で対抗して落としたボールを中盤で拾える回数が減ってきており、浦和の前線はそれほどプレスをかけてこなかったことによる変更かもしれない。
しかし、鹿島は時間経過とともに明らかに運動量・強度が落ちてしまい、ビルドアップの先で有効な攻撃の機会を作ることが中々できない試合展開となってしまう。
試合開始からのハイプレス、即時奪回、縦に早い攻撃を行うスプリント、鹿島の今のスタイルは消耗度が高く、疲労度が高くなることは必然であるのだが、率直な印象として求められる強度・クオリティを出せる選手が限られているためにスターティングメンバーが固定され、交代の時間帯も遅めとなってしまうことから、主力の消耗に拍車がかかってしまっている状態である。ここはチームの課題として早期に解決する必要があると思う。これから暑くなってくることを考えれば尚更急務であると言える。
鹿島の強度が落ちるにつれ、ホームの地の利も活かして浦和の攻撃が激化していく。特に浦和の2 列目からFW に斜めのパスを出されると鹿島ディフェンスが対応しきれずにピンチを迎える場面が目立ってくる。2 列目から少し早めのタイミングでスピードのある斜めのパスをディフェンスラインの間に通し、ユンカーが裏に抜けるようなパターンの攻撃は相手ながら厄介であり、正直、試合開始からこのようなパスを継続して狙われていたらもっと厳しい試合展開になってしまったのではないかと思う。
ともあれ、鹿島は苦しい時間帯が長く継続する中、なんとか最後まで集中力を切らせずに守り切り、1-1 の引き分けで試合を終えることとなった。
この試合でも試合開始から最も強度の高いプレーを継続して行い、後半には最も消耗度が高いにも関わらず最後までピッチ全体で献身的なプレーを見せたのは鈴木であった。試合終盤にビルドアップへの参加やプレスバックを続ける姿を見ると、ピッチ内にいる鈴木より疲労度の軽い選手はもっとできることがあるのではないかとも感じてしまった。
プレーしかり、チームを牽引する言動しかり、まさにチームに欠かせない存在であるだけに、離脱だけは避けたいところ。彼の姿勢を見て彼をプレーで助ける選手がもっと出てきて欲しいと思う。
結果としては痛い引き分けとなったが、内容としては負けずに済んだと言える試合であった。
次節は中3 日でホーム鳥栖戦。走力のある相手に対して厳しい日程ではあるが、チーム一丸となって勝利を目指して戦いたい。
リンク
データ
- SPORTERIA: https://sporteria.jp/data/2022052106
- Football Lab: https://www.football-lab.jp/kasm/report/?year=2022&month=05&date=21
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2022/5/29 10:52
浦和としては守備時は3CBで鹿島の2トップに+1で対応&ビルドアップも途中で4枚回しに変更と、打てる手をしっかり打ってきた感じがしましたね💡
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yyoshina
2022/5/31 00:32
> SPORTERIA スタッフ様
遅攻の際のゴールに向かう迫力がもう一声という感じでしょうか…。
終盤はスペクタクルな展開でどちらが2点目を取ってもおかしくなかったので、展開的には勝点1を分け合うのが妥当な結果だったかもしれませんね。
鈴木選手はこれだけ広範囲に動き回ってチームを助けながら、決定的なシーンを作れる&絡めるのは本当に凄い👏
コメントありがとうございます。
序盤、浦和のビルドアップに対してハイプレスが効いて中盤で奪って3CB+両SB の5 枚をラインブレイクする形はあって、それは良いかなと思いました。
鹿島の攻撃としては相手が守備ブロックを敷いた状態をどう崩すのか、というのが課題でしょうか。5 バックで構えられたらそもそも崩すのは難しいし、4 バックの2CB に対して2TOP に放り込んでセカンドボールを回収しようとすると相手は中盤に枚数を+1 できるのでそう簡単にはいかず、、現状どちらの場合も鈴木が下がって組み立てに参加してなんとかしようとしているように見えます。