待ちに待ちに待ちに待ちに待った2ヶ月ぶりの勝利を記録したザスパ。

山形のシュートは20本近く。決定機を何度か作られたものの、体を張った守備と連携で虎の子の1点を守り抜いた。

今回は、待望のセットプレーからの得点であることと、今節で活躍した高卒ルーキーについて紹介する。


基本スタッツ


レビューのご利益!?


前節のレビューでは、セットプレーからの得点が減っていることを指摘した。

レビューを書いたご利益なのか、今節はコーナーキックからの得点を記録した。

前節のレビュー:セットプレーが入らないので、お参りに行きたいと思います【2022 J2第27節 大分 2-1 群馬 レビュー】 | SPORTERIA


しかも、得点者は【紺色の韋駄天】小島雅也。

小島のセットプレーでの得点力については、以前の記事でも紹介した。

まるで予言のような記事を書いてしまい、自分でも驚いている。

小島雅也のセットプレーの強さについて紹介した記事:意地をみせた一線。新ポジションで違いをみせた山根と小島をどう使う?【2022 J2第18節 群馬 2-3 熊本 レビュー】 | SPORTERIA


そして、2ヶ月前最後の勝利は岡山戦。この試合も岩上が直接CKを決めた試合だった。

格上相手にセットプレーをモノにして、守りきって勝利する。これは継続できているようだ。

岩上の直接CKで勝利した岡山戦:セットプレーのジャブで注意力を削ぎ取り、久しぶりの勝利をつかみ取る【2022 J2第16節 岡山 0-1 群馬 レビュー】 | SPORTERIA



18歳岡本一真、右サイドを完封する


今節は、ザスパの選手の素晴らしい守備が目立った。紹介したい選手はたくさんいるが、なかでも新人とは思えない活躍をした【サイドを支配する群馬の若武者】岡本一真を紹介していく。


岡本一真は3月に前橋育英高校を卒業したばかりの高卒ルーキー。天皇杯で頭角をあらわすと少しずつプレイ時間を増やし、ついに初スタメンを飾った。

ザスパは現在病禍のまっただ中。ベンチにも空き枠が生まれてしまうなど、選手起用が非常に難しい状況となっている。その中で、岡本はフル出場を果たし、見事指揮官の信頼にこたえた。


岡本は入団時のコメントで「1対1の守備」をストロングにあげていたが、その通りの活躍だった。66分までは、スピードに定評のある加藤大樹と対峙し見事におさえこんだ。山形サイドはたまらずテクニックに定評のある樺山諒乃介に選手交代。だが、樺山に対しても決定的な場面をほとんど作らせなかった。タイプの違う2人のウィンガーを完封する18歳、まさに半端ない。


圧巻だったのは、67分の1対1の守備だ。投入されたばかりの樺山にロングボールが出ると、岡本は体をうまくいれてボールをフリック。セカンドボールを樺山が収めるが、岡本は内側へのパスコースをシャットアウト。樺山は外へのドリブルを仕掛けるが、岡本はそれも防いでボールを外にだした。

ファーストプレーだった樺山の出鼻をくじき、相手の交代策を無効化する値千金の1対1だった。


※余談だが樺山諒乃介も将来を嘱望されている19歳の新星だ。この2人の対決が、今後幾度となく繰り広げられると思うと、胸が熱くなった。


ここまで守備に触れてきたが、もちろん攻撃参加も積極的に行っていた。天皇杯ではアシストを記録するなど、攻撃にも定評がある選手といえよう。90分攻守に渡って活躍できる18歳、このブログを見てくれた他サポのみなさまは、ぜひ岡本一真の名前を覚えて帰ってもらいたい。



守備スタッツ - 岡本 一真


攻撃スタッツ - 加藤 大樹攻撃スタッツ - 樺山 諒乃介


攻撃スタッツ - 岡本 一真



さて、本記事ではセットプレーのご利益とルーキー岡本一真の活躍に触れてきた。最後にストロングを貫く山形に対する敬意を述べて本記事の終わりとしたい。


群馬は山形相手に、1節・天皇杯・今節で3連勝となり、シーズントリプルを記録した。

相性がいい理由として、山形がボール保持を貫くことがあげられる。決勝点のコーナーキックもショートカウンターから獲得したように、群馬はパスを引っ掛けてカウンターするのが得意だ。

そのため、群馬相手になるとあからさまにショートパスを減らすチームもある。その中で、山形は自身のストロングであるつなぐサッカーを貫いて、理想の勝利を目指しているように感じた。

「J2で勝つだけでなく、将来的にJ1に定着するためには理想のサッカーを確立する必要がある」と私は考えているので、山形のこの姿勢にとても共感するし尊敬の念を覚える。

次に対戦するときは、きっともっとパワーアップしているのだろう。お互いのストロングを十分に出し合ったサッカーをまたできることを、心待ちにしている。